【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀

ep46 ページ48

仕事を終えてやっと屯所に帰ってきた。


「あ"ぁ〜づがれだァ〜」と愚痴りつつ自室へふらりふらり歩き出す。


あの後の事を話そうか……


途中まではプラン通りだったんだよ。街を歩いて茶屋に入ったりして

それが狂い始めたのはそう……あの床屋に行ってからだ。



松平さんは「ばなっちゃんは車の中から将ちゃんを見とけばいんだよォ」とか言ってキャバクラ行くし。

将軍は将軍で、床屋に行ったと思ったら頭の上にトンデモナイもの乗せて顔パッツパツで帰ってくるし。


事情を聞いて長官に連絡したら「ンじゃァその美容師3人、指名手配しとけばいいじゃねぇか、宜しぃく」とか電話で言われて


「何でもかんでも押し付けてんじゃねぇぞこのエロジジイィィイイイ！！」


キレたよね、そりゃ。

ま、仕方無く指名手配の手続きは全てやりましたが！
そして見事その後の報告書まで全部私が作らされましたが！



　



「あれ、Aさん。いつの間に帰って来てたんですか！？」

その時山崎君と出くわす。


「今さっき」

「そうだったんですね……お疲れみたいですけど大丈夫ですか？」

「……今さっきってさ、今なのかな？さっきなのかな？」

「大丈夫じゃないですね」



そう言いながら山崎君が箱を持ちだす。


「じゃあこの荷物は後で……」

「いや待って！」


まさかと思って送り主を見れば松平片栗虎。これはもしや……もしや――……


期待胸いっぱいで中身を開ければ



「大江戸限定抹茶シュークリーム！！」と叫ぶついでに一つガブリと頂く。

ん〜素晴らしい。濃い抹茶感！！
そう、私が食べたかったのはこれ！


「ライフ完全回復！！」

「え、たかがシュークリームで！？」


山崎君は目を白黒させる。私は箱の中からあと2個だけ取り出して残りを彼に差し出した。


「内勤のみんなで食べていいよ」

「え、いいんですか？」

「うん、みんなお疲れでしょ？」


山崎君は「ありがとうございます！」と満面の笑みで去っていった。




　




――後日


ノックと共に部屋の扉が開く。


「松平長官、長官宛てに荷物が届いてますが」


「おぅ、ご苦労ォ」と荷物を受け取ると早速、中を見る松平。その中身に目を見開いた。



「……へぇ、可愛いことしてくれちゃうじゃねぇのォ」


その視線の先は幕府御用達で美味しいと噂の栗羊羹。



“お疲れ様です。栗子ちゃんとどうぞ”



添えられた手紙の差出人——“参謀”の文字に頬を緩ませた。




　

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