In Lumine __ (ページ15)

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失敗して、リンクになだれ込んでも

また立ち上がる

そして、また失敗。

同じことの繰り返し

そんな中、また母の怒号。

母「なんで出来ないの？！こんな簡単なことでさえ！」

こんな簡単なことさえ

こんなこともできない私は、無能だ。

母「あんたの取り柄はスケートだけなのよ？」

スケートだけが、私の取り柄

じゃあ、もしスケートが出来なくなったら

取り柄が無くなって

皆が離れていっちゃう

そんなの

　い
　や
　だ

　死ぬ気でトリプルアクセルを決めてやる

転んでも、失敗しても

何度でも立ち上がった

けれど、体力も限界だったらしく

視界がぼやける

限界なのは心かな

わからないや

すこしよろめきながらももう一度立ち上がり、助走へ入る

やっと決まった。

けど、見た目は多分最悪だった

惨めだ

取りあえず決まったことへの安堵と、その関係度の低さへの不満

なんとも言えない気分。

もう一度跳ぶ

今度は、さっきよりもマシ。

でも、まだまだ見た目は最悪だ。

もう一度飛ぼう、そう思った時

誰かに肩をぽんぽんと叩かれた

振り向くと、そこには昌磨が居て。

昌磨「…A、そろそろ休憩」

と、少し不安気な顔つきで言う

「まだ、する」

昌磨「だめ。」

「やだ。」

昌磨「ダメったらダメなの。」

「やだったらやだ。」

昌磨「文句言わない」

未だに不満げな顔をした昌磨が、私の頬をつねってぐにぃっと伸ばす

「…いたい」

昌磨「休憩でしょ？」

いつもの幼い雰囲気とは打って変わって、凄い圧。

昌磨は、こうなるとてこでも動かない。

「…する」

昌磨「許す」

私がそう言うと、ようやく私の頬から手を離した昌磨は、いつものようににこにこしていて。

その笑顔に救われた気がしたなんて、昌磨には内緒。