肆拾捌 ページ8
…おかしい。
始まった瞬間に決着をつけてしまおうと、このガキには悪いが初めから本気を出させてもらったが…
思いのほかコイツはやるようで、難なく避けられてしまった。
その後の追撃も涼しい顔で躱し、
それどころか気づいたら背後を取られていたようで、
見えていなかったが、奴が俺に木刀を振り下ろしているのが分かった。
俺が、俺が負けるのか?
こんなクソガキに?
半ば諦め気味に焦って後ろを振りかえるが、
奴は何故か途中まで振り下ろした木刀をピタリと止めて後ろに飛び退いた。
なぜだ?
今なら確実に俺を殺れたはずなのに。
まぁいい、少し今のは油断しただけだ。
次こそ仕留める!!
そう思ってから数分、一向に奴に刃が当たる気配がない。
奴の瞳が緑に輝いてから、更に奴は全体的にスピードが上がった。
こちらは全力で刀を当てようとしているのに対し、奴は攻撃も何もしてこず、涼しい顔で、何か考え事までしているようだ。
対する俺は、息が上がっていくばかり。
どうして、どうしてだ!!
俺の方が強いはずなのに!!
なぜ、攻撃が当たらない!!
相変わらず避けてばかりで、反撃してくる様子がない。
なんなんだコイツは、俺のことを舐め腐っているのか?!
こんな新参者に使うのは流石にと思っていたが、埒が明かない。
呼吸を使わせてもらう!
────────
考え事をしているうち、彼が攻撃をピタ、と辞めた。
あれ、どうしたんだろ
すると彼は、あの時の炭治郎と似たような姿勢で不思議な呼吸をしだした。
(…まさか、)
「氷の呼吸…壱の型…」
──氷晶閃光───
「─ッ!?!」
ヒュン、と目の前を刀が通った。
咄嗟に頭を思い切り引き、間一髪傷はつかなかったが…
遅れた髪が少し切られた。
なんだ、これ。
地面に落ちた自分の髪と、切られた部分が凍っている。
(目の前を通った時、冷気を感じた…)
炭治郎の使ってた、不思議な呼吸とは似たようでまた違う。
こちらの方が、スピードが早い。
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時