鬼滅の刃 痛みの感じぬ子 弐

肆拾柒 ページ7

｢審判は僭越ながら、俺が努めさせていただく！！それでは、両者構えて！！始め！！｣








相手は素早く僕の間合いに入って来るなり、勢いよく刀を振るった。








いや待ってくれ、ちょっと怪我させるだけでいいって言われてたよね？






そんな思い切りやったら、僕大怪我するよね？





あんたが持ってるの真剣だよ！！






木刀じゃねぇんだから、そんな力いっぱい振るな！







僕が後ろに飛び退くと同時に、彼も僕の方にまた飛び込んでくる。








流石、実力者と言われるだけあるなぁ、戦い慣れてるし、物凄く素早い。







相手に隙と考える猶予を与えない戦い方は強い。








でも、悪いね。


僕の方が、早いよ。








瞳を緑に変え、飛び込んできた相手の股下をくぐり抜ける。









そして、相手の頭に木刀を振り下ろして





────待てよ。







振り下ろしていた木刀を止め、素早く後ろに飛び退いた。








倒すってお館様は言ってたけど、具体的にはどうしたら倒すになるんだ？








基準がわからない。



殺すってこと？






いや、そんなわけないよな。








じゃあ、気絶させるとか？







それとも背中を地面につけさせるとか？







はたまた、あるいは…？








瞳を緑に変えたことで、相手の動きは遅く見えて、技を避けるのは簡単になった。









ただ、やはり倒すの基準がわからないと手を出すに出せないしなぁ、うーーんどうしたものか…





──────────



｢…なんかあのガキ、逃げてばかりじゃねぇか｣






｢うむ！先程、中々惜しいところまでいったのだが、何故か自分から間合いを置いてしまっていたな！！｣








｢戦う気あんのかよォ…｣







(あんな可愛い子が、真剣で傷つけられるなんて…胸が痛いわ…)







｢そもそもあんな戦い方で鬼殺隊に入る気があるのか。何を考えているんだアレは｣

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