鬼滅の刃 痛みの感じぬ子 弐

伍拾肆 ページ14

｢元々仮鬼殺隊員は、少ないながらも存在はしていてね。ただ、特別な事情がある子が多いから、鬼殺隊の中でも知っている者は少ないんだ。仮鬼殺隊の入る基準は、大抵自分では扱いきれないほどの強い力を持っている人や、Aのように特殊な体質を持っている子を入れている。
それから、もうひとつ大事な要因がある｣









｢それはなんですか？｣








｢心が、壊れかかっている、もしくは壊れてしまっていることだよ。その条件が最低条件だね｣









｢心が…？｣









｢そう。君は自分の体がに対する関心が異様に低い。
例えば君は、どれだけ体が傷つこうが、引き裂かれようが、相手を倒すまでは周りが見えなくなるとか、体が止まらない、というような…
要するに、自分を大切にする心が壊れているだろう？｣









｢うーん、そうですね…｣









というか、痛みを感じないから気づいたら腕とか足が無かった、なんてのが多いだけなんだけど…









｢仮鬼殺隊員に必要なのはそれなんだ。

自分の体がどうなろうが構わない…とか。

嫌な言い方をすると、強い鬼との相討ち要員だね。

仮鬼殺隊員の死亡原因の大きな1つは、戦いが終わってから自分の状態に気づき、気づいたことによっての死亡。

認識したことによる、かな。

その、敵に対する強い執着心。

それが有る無いのことなんだ。

もちろん、毎回そんな任務は渡さないよ。

大抵は鬼殺隊員と同じ任務を受け持ってもらう。

あとは、仮鬼殺隊は鬼殺隊員と常に合同任務とする。1人での任務はそうそう無いと思ってくれて構わないよ。｣









あとは、体の酷使しすぎを、他の隊員に抑えてもらうためにも、監視のようなものだよ、


と付け加えて。









あー、なるべく1人でやりたいんだよなぁ、








1人で沢山やりたいのになぁ、監視付きとか、なぁ…








｢Aの監視役だけど、もう決めてある。
竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助の3名だよ｣









(あの3人か、良かった)









｢あのー、任務はいつから貰えますか…？｣









｢本来なら、今すぐにでも彼らと合同任務に行ってもらいたいんだけどね｣








｢？｣








｢君は、呼吸を持っていないだろう？｣








｢無くても戦えます！！｣








｢そうだけど…無いに越したことは無いし、習得して貰ってから任務を与えようと思う｣

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