肆拾壱 ページ1
「…の。あの、起きてください。起きてくださいってば」
何やら自分を呼ぶ声がする。
男の人の声だ、さっきのお姉さんと違う。
目を開けたいのは山々なんですけど、なんか瞼が重くてあかないんです。
「どうされましたか?」
女の人の声が追加された。
優しそうな女の人の声だ。
きっと顔も綺麗に違いない。
ぜひ見たいのに、やっぱり瞼が開かない。
「む、蟲柱様…!それがどうやら、眠り香のせいで目を覚まさないようなのです。」
「これってそんなに効くような眠り香で作ってないはずなんですけどねぇ」
「すみません、蟲柱様。思い切り吸ったらしく、思いのほか効力が効きすぎてしまったようで…」
「…しょうがないですね、失礼します」
あ、誰か僕の上に跨った。
軽いなぁ、羽のように軽い人だな。
きっと声が素敵な、蟲柱様と呼ばれていた人に違いない。
と、いきなり。
【スパァン!!!!】
どうやら、頬を思い切り引っぱたかれたようだ。
普通はそれで飛び起きるのだろうが、痛みを感じない所為で飛び起きる程の衝撃が来ない。
どうしよう、なんか引っぱたかれ続けてるし、そろそろ起きないと頬が破裂するのでは?
「中々起きませんねぇ。一体どういう感覚しているんでしょうか。この試作品、1本打ってみましょうかねぇ。これなら飛び起きるでしょうから」
なんか物騒な言葉が聞こえてきたぞ。
なんだ試作品て。
打ってみるって。
身の危険を感じる。
瞼をこじ開けた結果、
なんとか目を開けることが出来た。
「わぁ、起きましたね。コレ打とうかと思ってたので、ちょっと残念ですが。おはようございます、私の声聞こえますかー?」
目の前に、紫の瞳の美しい女の人の顔があった。
やっぱり綺麗だった。
声が綺麗だと顔も綺麗だな…。
「あれ?聞こえてないんですかね?やっぱり打っときますか」
「あの、すみません聞こえてます」
その美しい顔に見とれていたら、また物騒な言葉がその小さく可愛らしい口から飛び出したので、素早く応えた。
「隠の方、起きたようですよ。私は先に集まっておかねばいけませんから、後はお願いします」
「あっ、ありがとうございました!!」
その美しい女の人は、優しく、ただどこか冷たいような瞳で笑うと、蝶のようにふわり、とどこかへ行ってしまった。
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時