鬼滅の刃 痛みの感じぬ子 弐

柒拾捌 ページ39

「はい」









「だったら我流を見つけるべきやもしれん！
ちょうど、胡蝶や猪頭少年のようにな！！」









「我流、ですか」









「少しずつでいい。
君なりの方法で、君だけの型を見つければいいんだ。
何、まだ15なのだ、時間は目一杯ある。
好きに生きなさい、少年。」









(あぁ、そうだ、何かに似てると思ったら)









先生の、瞳だ。









先生の瞳は煉獄さんのような綺麗な赤胴と金輪ではないけれど、眼差しが先生と同じなんだ。









先生は静かで、落ち着いていて、滅多に叫ばなくて…









煉獄さんとは真逆の性格をしているけれど、その瞳は人一倍熱い情熱に溢れている人だった。









「煉獄さんは、先生に少し似てます」









小さな声で言ったものだから、煉獄さんには聞こえなかったみたいだ。









僕の口の傍に耳を寄せる。









あぁ、仕草までも…









「む？何か言ったか？」









「いいえ、何も。」









頬をベチッと叩いて勢いよく立ち上がると、煉獄さんもやや不思議そうな顔をしながらも立ってくれた。









「そういえば…君は幼少期にかなりの鍛錬を積んでいるそうだな。宇髄から聞いている！」









「ええ、それなりにやってますよ」









「ならばその時のことを思い出してみるといいかもしれん！例えば、その時林少年の師匠がよく伝えてくれたことや…印象に残っていることなんかもいいな！」

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