・ ページ37
「正直呼吸はなんでもいいです!とりあえず、その全集中の呼吸を教えてください!!」
「よし、派手に厳しく行くぞ!」
───────
結果として。
Aは全集中の呼吸を体得することができた。
それも、脅威の2時間というありえないほどの短時間で。
だが、問題はそこからだった。
「何故だ…なんで全集中の呼吸は馬鹿みてぇに早く覚えたくせに、音の呼吸は出来ない!?」
「そんなの、僕が知りたいですよ…」
事実、懇切丁寧に宇髄はこれでもかと教えた。
Aも必死になって型を覚え、音の呼吸を掴もうとした。
だが、やれどもやれども一向に出来る気配はない。
ついには、夜の7時にまでなってしまった。
「しかも…なんで常中は出来るんだよ!!」
宇髄は悔しさに地団駄を踏んだ。
出来れば次の柱に手渡す前に音の呼吸を覚えさせ、継子にさせるつもりでいたのに、向いてないのか全く出来ないのだ。
「同じ二刀流だってのによぉ、クソ!」
「天元様、これ以上は…天元様もこれから任務でしょう」
「だーー!!!」
宇髄は悔しそうにそう叫ぶと、任務地へと飛び立った。
その背中に、「ありがとうございました!!!」と叫ぶ。
「行ってしまわれた…」
「どうか許して差し上げてね。天元様も私たちも、君が継子に来てくれるのを心待ちにしてたのよ…でも、今日の様子を見ていると、あなたは音の呼吸は向いてないのかもしれないわね」
雛鶴の言葉に、須磨とまきをも頷いた。
「今日は泊まっていきなさい。
明日の朝、次の柱の屋敷へ向かえばいいわ。」
「すみません、何から何まで…」
「子供がそんなこと気にするものじゃないわ!
それにね、継子に来てくれないのは残念だけれど…Aくんのことは大好きだからね。
いつでも遊びにいらっしゃい!
天元様も私達も嬉しいわ!」
「ありがとう、ございます」
優しい3人の心に触れ、先程見ていた悪夢の名残もスっと心の外側へ融けいっていった。
542人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時