参拾陸 ページ45
善逸がそう聞くと、二カッとお日様のような笑顔で笑った。
「少し、頭突きをな!!元気なのはいいが、流石に怪我人に手をあげるのは、いかがなものかと思って」
「ヒェッ…」と声を上げて善逸は顔を青くして額に手を当てた。
よっぽど痛いんだな、その頭突き。
伊之助は大丈夫だろうか、と心配していたが、少しその猪頭の鼻が動いたかと思うと、ガバッと頭を上がった。
「なんだ!!飯か!!おいババァ、衣のついたアレはあるのか!!」
「はい、飯でございます。衣のついたアレは準備しておりませんので、今夜お作り致します。」
「ガァァ!!」と伊之助は叫んで少し怒っていたように暴れたが、炭治郎がもう一度頭をボカッと殴ると静かになって席に座った。
4人で朝餉を食べながら、ふと気になっていたことを炭治郎に聞く。
「聞きたかったんだけど、僕が鬼殺隊に入るのに何をしたらいいんだ?何か試験とかは無いのか」
炭治郎と善逸は顔を見合わせ、眉尻を下げた。
「それなんだ。
実は、鬼殺隊に入るには最終選別っていうものに参加して、最後まで生き残れたら入隊を認められる試験があるんだ。
本来、それに参加しないといけないんだが、」
「それは、いつ頃あるの?」
「半年後、だったかな…少なくとも3ヶ月は先になるはずだ。」
「…そんな待ってらんないぞ」
「いやそうは言ってもさ、登竜門みたいなもんだし、やんなきゃ入れないって」
「それに、Aは呼吸使えるのか?」
「呼吸?今してるけど?」
「いやそうじゃなくて」
「なんだてめぇ、呼吸も知らねぇのか!!!」
「??だから、今してるって」
噛み合わない話をしていると、突如1羽の鴉が窓の隙間から滑り込んできた。
「伝令!!伝令!!林 Aヲ、産屋敷邸へ連レテイケ!!産屋敷邸へ連レテイケ!!」
「カラスが人の言葉喋った…」
凄いねぇ、と声をかけたが、誰もその事について反応は示さなかった。
これ、普通のことなのか?
「産屋敷邸って…お館様のとこだろ?A、お前何したんだよ!!」
「お館様?偉い人?」
「そ、うだな、偉い人だ。とても。」
心做しか、炭治郎と善逸の顔が引き攣って見える。
伊之助は無心でひたすらご飯を頬張っているが。
「どんな偉い人?幹部とか?」
「…鬼殺隊の、最高管理者、だ。」
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ハナ(プロフ) - 神崎舞さん、大変失礼しました。直ぐに直させていただきます!教えていただきありがとうございました! (2019年9月12日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 染のページ名前変換出来てませんよ。 (2019年9月12日 23時) (レス) id: 09069055ff (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 飴季さん、コメントありがとうございます!!複雑な設定なのもあり、描写は特に気をつけていますので、褒めていただいて本当に嬉しいです!!拙い部分もありますが、これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!! (2019年9月12日 22時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - 描写がわかりやすく、とても面白いです!過去や、6つの力、炭治郎との関わり方等、更新楽しみにお待ちしてます。応援してます! (2019年9月12日 22時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - kitunetuki_040さん、教えていただいてありがとうございます!早急に直します! (2019年9月11日 0時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年8月24日 22時