弐拾参 ページ31
「禰豆子ちゃんは生きてたんだ」
「あぁ、生きていた。
…生きてはいたが、鬼にされてしまっていたんだ。」
炭治郎は改めてAに向き合って、真っ直ぐに瞳を見つめて言った。
「どうか、信じて欲しい。
禰豆子は鬼だが、人を襲わない。絶対だ。
鬼になってからも、1度も人を喰った事はない。
だから、禰豆子のことを認めてはくれないか。
禰豆子は、禰豆子は…」
「その禰豆子ちゃんはどこにいる?」
「連れてくるよ、待っててくれ」
炭治郎1度部屋から出ていき、大きめの木箱を持って戻ってきた。
中からは、カリカリと爪で引っ掻くような音が聞こえる。
「今は出しても大丈夫?」
「あぁ」
木箱の蓋をそっと開けると、桃色の瞳の竹を噛んだ女の子がひょこっと出てきた。
ズルズルとその体にしては大きな着物を引きずって出てくると、不思議なことにどんどん体が大きくなり、自分とさほど身長が変わらぬ大きさになった。
着物もいまはピッタリになっている。
「体の大きさが変えられるんだ。
それに、ほんとに炭治郎が言ってたとおり、とても可愛いなぁ、そんで美人だ。
君が禰豆子ちゃんだね?」
「むー!」と返事をしてくれた禰豆子ちゃんは、挨拶がわりなのかぎゅっと抱きしめてくれた。
「こ、こら禰豆子!離れなさい!嫁入り前の女の子が、男に抱きつくだなんて!!」
「いいじゃないか、別に。挨拶がわりだよな?」
そうだ、と言わんばかりに「む!」と言う禰豆子ちゃんはとても可愛らしくて。
鬼のように長く鋭い爪や、少し開いた瞳孔は、確かに人間らしくはないが本来のこの子の性格だろう、瞳からは意志の強さと優しさが感じられる。
「禰豆子は鬼だから、夜にしか外に出られないんだ。日中は俺の背負っている木箱に入って眠っている。人を守るよう暗示をされているようで、何度も言うようだが絶対人を襲わないんだ。」
禰豆子ちゃんはご機嫌に、「むー♪」と僕の膝の上に横になった。
頭を撫でると、気持ちよさそうに足をパタパタとさせているのが可愛らしい。
炭治郎が、「禰豆子、おいで」と言うと、禰豆子ちゃんは一切の迷いも無く炭治郎の元に行ってしまった。
もう少し、撫でていたかった…
しばらくすると禰豆子ちゃんは眠くなったのか、ウトウトしながら木箱の中に戻って行った。
炭治郎は木箱を閉めて、部屋の隅に禰豆子ちゃんの木箱を置いた。
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ハナ(プロフ) - 神崎舞さん、大変失礼しました。直ぐに直させていただきます!教えていただきありがとうございました! (2019年9月12日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 染のページ名前変換出来てませんよ。 (2019年9月12日 23時) (レス) id: 09069055ff (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 飴季さん、コメントありがとうございます!!複雑な設定なのもあり、描写は特に気をつけていますので、褒めていただいて本当に嬉しいです!!拙い部分もありますが、これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!! (2019年9月12日 22時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - 描写がわかりやすく、とても面白いです!過去や、6つの力、炭治郎との関わり方等、更新楽しみにお待ちしてます。応援してます! (2019年9月12日 22時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - kitunetuki_040さん、教えていただいてありがとうございます!早急に直します! (2019年9月11日 0時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年8月24日 22時