拾壱 ページ18
「炭治郎、こんなことしたのに、見て。冷や汗ひとつかいてないし、本当に痛くないんだ。これで、信じてくれた?」
「…まさか、俺に痛みを感じないことを伝えるがためだけにこんな事をしたのか」
手首を掴む力が強くなる。
擬音を付けるとしたらギリギリ、が合うだろうな。
「そうだよ。これから戦う時に、怪我が酷いから休んでろなんて言われないように、早いうちに理解して貰った方がいいかと思って」
「だからって!!こんなこと、しなくたって、」
「しなくたって、信じてくれた?本当に?」
炭治郎はぐっと押し黙り、「それは…」と言ってうなだれた。
炭治郎の、言いたいことは分かる。
そんなの信じられるわけないんだよ、普通は。
「そもそも…!怪我が酷い中戦うなんてこと自体ダメだろ、おかしいだろ!」
「おかしいかな?人にはそれぞれの戦い方があるよ、炭治郎は水の呼吸?を使うだろ、僕は僕の戦い方があるんだ」
暴論だ。自分でも自覚はしてる。
でもこの戦い方でなければ、自分は人を守れない。
「そんなこと、してちゃ…体が持たない!いつか、いや鬼と戦うのなら、すぐに死んでしまうぞ!」
「僕、死なないよ」
「なに、言って」
「明日になれば分かるから。怪我も心配しなくて大丈夫!さ、この話は終わり、炭治郎はお風呂入ってきなよ、せっかくお婆さんが沸かしてくれたんだからさ」
「話はまだ!!」
「炭治郎」
有無を言わさぬ瞳に、炭治郎は押し黙った。
「!」
「炭治郎も疲れてるだろ、もう早く寝ようよ、ね。」
その時、襖がスッと開き、桶と手ぬぐいをもったお婆さんが現れた。
「お連れ様。湯と、手ぬぐいのご用意ができました。どうぞ、お使いください。それと、お怪我をなさっているようですね。手当を致しますので、後ほど伺わせていただきます」
「あ、ありがとうございます、でも怪我はほんと大したことなくて──」
「では、後ほど。」
「いや、あの」
襖がまたスっと閉じ、おばあさんは行ってしまった。
言い逃げかな??
「なるほど、Aには言い逃げすればいいのか」
「いややめろやめろ、変なこと覚えんな」
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ハナ(プロフ) - 神崎舞さん、大変失礼しました。直ぐに直させていただきます!教えていただきありがとうございました! (2019年9月12日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 染のページ名前変換出来てませんよ。 (2019年9月12日 23時) (レス) id: 09069055ff (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 飴季さん、コメントありがとうございます!!複雑な設定なのもあり、描写は特に気をつけていますので、褒めていただいて本当に嬉しいです!!拙い部分もありますが、これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!! (2019年9月12日 22時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
飴李(プロフ) - 描写がわかりやすく、とても面白いです!過去や、6つの力、炭治郎との関わり方等、更新楽しみにお待ちしてます。応援してます! (2019年9月12日 22時) (レス) id: 3704481379 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - kitunetuki_040さん、教えていただいてありがとうございます!早急に直します! (2019年9月11日 0時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年8月24日 22時