鬼滅の刃 痛みの感じぬ子

捌 ページ15

｢分からない、こうなると善逸は止まらないからなぁ…｣


｢そっか…｣


Aは善逸の後ろまで歩いて行くと、もう一度｢善逸｣と呼んだ。


｢どーうしたの、Aちゃん？｣


満面の笑みで振り返った善逸は次の瞬間Aを見て戦慄した。


｢これで、信じてくれたかな？｣


Aは善逸の後ろで着物を上半身だけはだけさせ、上半身を晒した。


実際はサラシがまいてあるのだが、『桃』の力でこの部屋にいる者には男の胸板が見えているはずだ。


…少しムキッとした。
部屋が暗いので瞳の色が変わったのは分からないはずだし、どうだろう。


｢え？いやいやいや、ありえないでしょありえちゃダメでしょうよこんなこと！！！このかわい子ちゃんが、第2の伊之助？？嘘すぎない、嘘すぎるでしょ！！！！！！本当に世も末だったわ、ありえないわ！！！！｣


この様子を見ると成功したようだ。


｢善逸！現実をみろ！！｣


｢嫌だァァァ！！！こんな、こんな現実信じてられるか！！こんな細マッチョだなんて…ゥゥッ俺死にたいよ、炭治郎…｣


｢善逸！！死ぬな！！｣


｢言葉の絢だよ…死なねぇよ…｣


善逸は先程までの元気はどこへやら、ぐったりとして布団の中に入り泣き出してしまった。


｢…なんか、申し訳ないことしたなぁ｣


｢いや、いずれ分からないといけないことだったし、仕方がないさ｣


｢そっか…で、この猪頭はだれ｣


｢嘴平伊之助っていうんだ。山育ちでな、少し言動が普通じゃない時もあるが、気にしないでくれ。善逸と同様、伊之助も良い奴なんだ。それは保証する。｣


猪頭…伊之助は、猪の頭の上から鼻ちょうちんを膨らませて寝ていた。


話が出来るのは、明日になってからかな。


それにしても上半身はだけさせて寝ているから、お腹が冷えないか心配だな。


それから、善逸の｢伊之助じゃあるまいし｣
っていう言葉の感じだと、彼はとても可愛い顔をしてるのかな？早く見てみたいなぁ

玖→←染

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