検索窓
今日:229 hit、昨日:390 hit、合計:13,581 hit

佰拾漆 ページ28

これで無一郎が夢子さんのところに行ったら傷つくくせに








足音がする




しかし、今更逃げる気力もない





彼が足を止めた途端、温かい温もりが私を包んだ





「……っ、会いたかった」




『え、ちょ…、泥ついちゃうよ』





どうでもいい、そう呟き私を抱きしめる力が強くなる



久しぶりに見た彼は前に遊郭で見た時よりも一回り二回り小さくて…




私も彼の背に手を回した




それでも、彼の温もりに変わりはなかった








.






.







「で? さすがに説明して欲しいんだけど」




現在ん無一郎の屋敷にて正座させられております






何故遊郭ではなくあの場にいたのか、今までどうしていたのかを事細かに説明することとなった



その話を聞いている時の無一郎は、正直めっちゃ怖かった






「はあ、一通り理解はしたけど今度宇髄さんに会ったら……」








「ぶえっくしゅんっッ!!

なんだあ? 派手に誰かが噂してんのか?」








落ち着いてから見ると……




『…クスッ』



「なに? 僕の顔になにかついてる?」



『いや久しぶりだなぁ、って思って』




あの日、別れた日のことを遠い昔のように思えるほど私は無一郎と会えなかった時間がとても長く感じていた






「……ねぇ、A」



『ん?』



「あの時は、ごめん。自分の中で気持ちの整理がついていなくて、冷たくした。傷つけたよね」




ずっと、気にしてくれてたんだ
下を向いて俯いている無一郎を見ると嘘では無いのはすぐに分かった






『大丈夫だよ。私も自分の都合で声を荒げたりしてごめんね』






ほっとした顔をする無一郎を見て、こっちまでなんだかほっとした


私は机に手をつきながら立ち上がろうとした時だった






『……っ、』



やっぱり傘無しは駄目だったか



軽く目線だけを手首に持っていったが赤く皮膚が変色していた



色々ありすぎて気づかなかったなぁ、なんて思いながらも胡蝶さんから貰った薬どこに置いてたっけと考えていた




流石柱だからか私の火傷箇所をかばいながらの動きに不信感を抱いてしまったらしい




「ねえ、何処か怪我したの? そういえば日の下歩いてたけど、人間に戻ったの?」



『ははっ、まさか。大丈夫、怪我してないよ。鬼だから怪我しても治るし』





……太陽によるの火傷はなかなか治らないけど、ね









「…僕、もう思ったことしないで後悔したくないんだよね」

佰拾捌→←お知らせ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
225人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

凛鵺 - 初コメ失礼します! これまでの作品、全て見ました! …神ですか? これからも応援してます! 現在は初めから書き直しているそうですが更新されたらまた見に行きます! 応援してます! 頑張ってくださいね! (4月24日 21時) (レス) @page22 id: b15fc39926 (このIDを非表示/違反報告)
りさぷー - わお、気になっていつの間にか時間忘れて一気見してたわ、すごいヾ(≧▽≦*)o(語彙力皆無)これからも陰ながら応援していきます!でもどうか無理はなさらず<(_ _)> (4月21日 18時) (レス) @page32 id: f96d0b684d (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - わぁぁ!!お話が面白すぎて全部一気読みしちゃいました!!文才凄すぎて尊敬…!これからも更新頑張って下さい!! (4月11日 16時) (レス) id: e840a98253 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:HAL | 作成日時:2024年2月27日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。