壊れた星の輝きを・参 【鬼滅の刃】【時透無一郎】

佰拾肆 ページ24

「この鴉はとても頭が良くきっとAさんの役に立つと思います。いえ、Aさんの隣にずっといてくれる優しい鴉なんです





どうか、大切にしてあげてください」





胡蝶さんは優しい人なんだな
そして星柱さんのことを好いている



確かほかの柱の方もそう仰っていたっけ









どんな方だったんだろう((※久しぶり書いて忘れていましたが、貴方ですよ、星柱…… by筆者)








「そろそろ私も任務があるのでお暇致しますが、先程この近くで時透さんにお会いしました」







私の体が小さく跳ね上がった


時透、もしかしなくても無一郎のことだろう



……まだ反射的に反応するなんて






「私も詳しくはお聞きしていませんが、彼は今から遊郭に行くと仰っていました






誰を探しているかは……、分かりますよね






これ以上は何も言いませんし、言えません



Aさんが思うように動いてみてはどうでしょう」







後悔だけはしない選択を、といい彼女は姿を消してしまった







…吉原に来るな、って言ったのに


私の事探してくれてる､のかな




……そうだったら嬉しいけど





何も思ってないならそんなことしないでよ…







ーーー
ーー
ー



やっぱり今日もいなかった


僕は吉原で、あれからずっとAを探してる

…っ、どうして私に優しくしてくれたのっ！？








君が好きだからだよ









優しくしないでよ、勘違いしちゃったじゃん








なんでそんなに優しくされることが嫌なのか、僕には分からない



でも、Aが声を荒げることはほとんどない


いや、僕の知る限りでは今回が初めてだった






驚きと焦りを隠しながら、僕は言葉を紡いだ


しかし、いざ口から出たのは思ったよりも冷たい声だった







何が言いたいの？ 優しくしないで、っておかしくない？
ていうか僕がしたいからしてるだけだし





こんなにキツく言うつもりはなかった

でも顔を上げた時に見えたAの泣きそうな、悲痛に歪んだ顔




傷つけてしまった、

僕は自分の言葉で、態度で…







Aを傷つけてしまったんだ

佰拾伍→←佰拾参

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す