壊れた星の輝きを【鬼滅の刃】【時透無一郎】

弐拾 ページ24

時透side




『星の呼吸 伍の型 綺羅星』




「この呼吸は…っ」





Aの呼吸、星の呼吸だ


動きも全部




『そう、私はAA……元星柱で今は、鬼だ』




そう言ってAは微笑んだ




A、Aｯ！！！
やっと見つけた





ずっと会いたかった人
ずっと探していた人





でも、その人が発した言葉はあまりにも残酷で





『斬るんでしょ？ 速く、首を斬って？』





なんで全ての可能性を考えないで言ってしまったんだろう
今ではあの時の言葉を撤回したい



なんでAは鬼になっちゃったの
僕が気づいていれば助けてあげられたかもしれない



疑問と後悔ばかりが頭を埋め尽くす


僕に刀を使い方を教えてくれたのはAだった
鍛錬はとても厳しかったが、それも僕を思ってのことだとわかっていた


ちゃんと出来たら褒めてくれて
間違っても励ましてくれて







そんな人を、斬れるわけがない







暗闇でよく見えないけどAは本気だ




なかなか斬ろうとしない僕たちにAは冷たく言い放った






『速く斬れって言ってるでしょ！！

私は鬼よ！！？ あんたたちの敵なの！！



鬼殺隊なら鬼を庇ったら隊律違反、さぁ！！ 速く！！』







その顔は酷く辛そうだった





僕は




僕の…




大切な人を






好きな人を…







自分の手で斬らなきゃいけないなんて




神様はとんだ意地悪だ





……いや、神様なんてきっといない




僕はどうしようもなかった
伊黒さんもそう思ってるだろう





ねぇA、ごめんね

一緒に帰ろう？




みんな、待ってるから





・・・
Aside




なんで斬らないの




『斬るんでしょ、斬ってよ』



「何を思ってるかは知らねぇが、さっき言ってたこととやってることが違うなぁ！？」



「Aはまだあんたたちのことを仲間だと思っていたわ！」












……もう、いいかな

堕姫姉と妓夫太郎には申し訳ないけど



これ以上、柱の人達と顔を合わせたくない


これ以上、拗れるのはごめんだ








身勝手で自分のことしか考えてないことはわかってるけど、







私は刀を取りだした







『…ごめん』





そう呟いて私は彼らに斬りかかった





「「ｯ！！？？！」」




2人は柱だからか軽々しく避けた




できるだけ悪役っぽく出来るか、いや、やってみせる！









『あ〜れぇ？ 殺す気で斬ったのに…





……これは友情ごっこじゃないの、わかる？』

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