推しが何故ここにいるの!?【鬼滅の刃】【柱】

手が届かない距離 ページ41

『……ｯ…ﾊｧ、おひさ』

友1「おひさぁ〜…、じゃなくてｯ！！見てｯ！！」





友1が指さす先に目を向ければ



……………なんでみんな揃ってんの！？




1人でも十分目立つのに……



全員集まっちゃったらダメじゃん！！？ 目立つの不可避よ！？




…………そして、あそこゲーセンだし




君たちは動くアームを見るの初めてだもんね、そんなに気になるのかな


友1「やばいよね！？ そっくりでしょ……ｯ！！」


友2「あのコスプレイヤーさん絶対バズるって！！」


友3「……私、話しかけてこようかな」





何言われてもあの顔なら本物と話してる気分だし、という友3


前なら、『いや、推しは眺めてこそ成立するものだから』と真顔で言ってるけど



今の私は言えない




……眺めるだけじゃ……ｯ、足りなくなっちゃったんだもん



でも、本当ならこの距離なんだろうなぁ



そう思うと急に彼らが遠い存在になっちゃった気がして



いや、元々は手にさえも届かないけど




漫画の中では、私の手の中だけで話が進んでたし、今だって私しか



私の立場が私じゃなかったら、そう思うと…




どうしたんだろ、私。前よりも情緒がおかしくなってる





今、この手に届かない距離が、話しかけれない距離が……



とても悲しい、よ。とても寂しい…





『行ってきていいよ、私、ここで待ってるから』





………ダメ、いつかみんなは帰るんだ。大正時代へ





みんながいるべき場所へ


そしたら私は我慢するしかない




……別れは嫌だけど、それが責務ってやつでしょ……？


推しの幸せを願うことが私の使命なんだからｯ





これ以上、一緒にいると危ないな…




この思いは、寂しいっていう思いは


一緒にいたいっていう願いは





封印しなきゃ






私は自分の心に蓋をした




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