演練・悪魔 ページ30
こうして巴のお陰で今剣と後藤が迷子になる可能性はなくなったのだが。
「妙に蛍丸が多いな…」
あっちを見てもこっちを見ても蛍丸。見分けがつかない。
大太刀の中でも機動があり刀装が3つ付けられる彼は演練の悪魔との異名を持つ。連れて来る審神者が多いのも納得か。
自本丸の蛍丸に手を差し伸べ、提案する。
「手、繋いでおこう」
蛍「ヤダ」
「え」
蛍「子供扱いするな」
迷子防止と勘違いしているようだ。
違う、と否定しようとすると、
蛍「俺は迷わないし。でも主さんが迷うなら、手、繋いであげてもいいよ」
男としての意地というやつだろうか。確かに手を繋ぐという行為を軽視していた。彼が守るべき対象に収まる訳がないのに。
「そうだな。すまん。他のと見分けがつかないから、手を繋いで貰えるか?」
いいよ、と小さいが刀を握り締め固くなった手を握る。最強のボディーガードを手に入れた気分だ。
「うわ、あれ見てみろよ。短刀ばっかり。やる気あるのかねぇ」
「蛍丸位じゃねーの。相手になるの」
受付中、2人組に煽られた。華麗にスルーしマッチングを待つ。同レベル帯の審神者が5人ランダムに提示されるシステムだ。
対戦相手の情報を見ている間、毛利が怒りを爆発させた。
毛「うちの子達を悪く言うなんて許せません!」
「気持ちは分かるが言い返したら後が面倒だ。言わせておけ。さて対戦相手の登場だ、行くぞ」
戦闘場に立ち、相手を観察する。
大太刀の極が1振、打刀の極が1振、短刀の極が3振、太刀が1振。遠戦は銃。やはり厄介なのは極短刀だろう。機動では勝てない。そして隠蔽値も高く陣形が読めない。こちらが不利な状況だ。
「陣形を魚鱗陣に。蛍丸、巴が前へ。今剣、後藤、厚、毛利は重症覚悟で突っ込め。巴は刀装を剥がす事に専念。蛍丸、頼りにしている」
了解、と敬礼してみせ、全員持ち場に着く。
戦闘開始。
敵の銃兵が撃ってきた。蛍丸と巴が受け止める。次の白刃戦ではまず敵の極短刀が連続で襲い掛かって来る。ギリギリで蛍丸が受け止め中傷、次の極打刀の攻撃で今剣が重症。そして…
今「もうおこった!ほんきでやっちゃいます!」
蛍「本気の俺は、すげえんだからね」
真剣必殺。本来の作戦としては必殺値の高い短刀のみのはずだったが、蛍丸も一緒に発動してくれた。これで極打刀と極短刀を2振沈めた。次の通常攻撃で蛍丸が太刀と残りの短刀を沈め、残りは大太刀のみとなった。巴、後藤、今剣がやられるが、蛍丸の一撃で戦線崩壊。こちらの勝利だった。
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いづみ(プロフ) - 餅田さん» コメントありがとうございます。がんばります! (2020年8月19日 14時) (レス) id: 28595e5e52 (このIDを非表示/違反報告)
餅田 - 続きカモン! (2020年8月1日 23時) (レス) id: b17d16c344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いづみ | 作成日時:2019年2月28日 23時