検索窓
今日:3 hit、昨日:14 hit、合計:19,604 hit

雅・仕上げ ページ20

次「アタシの使うかい?」


聞いてきたのはこれまで黙って成り行きを見守っていた次郎太刀だった。手にはビューラーが握られている。


歌「ありがとういつの間に…これは自分でするんだよ」


と受け取ったビューラーをそのままAに受け渡した。
これ苦手なんだよなあとぼやきながらも器用に睫毛を挟みカールさせていく。




歌「次はチークだよ」

乱「あるじさん睫毛長ーい。いいなー」

次「マスカラ要らずなのは羨ましいねえ」

加「歌仙化粧上手だね」


気付けば女子会(男子のみ)が結成されたらしい。キャピキャピ感が眩しい。


歌「色味はどっちがいいかな」

加「レ・メルヴェイユーズラデュレのクリームチークベース!しかも二色買ったの!?」

乱「可愛い!」

次「アイシャドウが落ち着いてるからどっちも合いそうだねえ」


何気なく聞いてみただけだったのだが、真剣な議論に発展しそうだった。白熱してきた頃、


「よし。では多数決だ。橙色が良いと思う者は手を挙げろ」


小夜と乱、大和守の手が挙がった。
残りの太郎、次郎、加州、宗三はピンク色という事になる。


「3対4で決定だな」


歌仙が薬指にチークを付けAの頬にふんわり置く。一気に華やかな印象に変わった。
ギャラリーからも小さな歓声が上がる。




歌「最後はリップ。ここで失敗は出来ないよね」


ここまでほぼ迷いなく進めていた歌仙も緊張の面持ちだ。何に対する緊張かは分からないが。

ゆっくりリップをAの唇に近付ける。


加「ディオールアディクトリップマキシマイザー。やっぱりディオールは凄いよね」

安「僕はもう何も言わないよ」






歌「はい、終わったよ」


わあっ、と声が上がった。
普段から外出しないせいで血色の悪い顔はほんのり色付いて、乾燥していた唇は艶めいて色っぽい。長い睫毛は上向きで切れ長の目を縁取っている。


太「別人の様ですね」

次「うんうん。惚れ直したよ」

加「俺も主に化粧したーい」

安「お前は自分ので精一杯だろ」


やんのかコラ、と加州と大和守が騒いでいる隣でだんまりの小夜に、


「どう思う?変か?」

小「慣れない。でも…これはこれでいいと思うよ」


何事もきっぱり言い切る小夜がこの反応という事は自信を持って大丈夫そうだ。




「では歌仙。今週末も頼んだぞ」

雅・実は→←雅・メイクアップ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いづみ(プロフ) - 餅田さん» コメントありがとうございます。がんばります! (2020年8月19日 14時) (レス) id: 28595e5e52 (このIDを非表示/違反報告)
餅田 - 続きカモン! (2020年8月1日 23時) (レス) id: b17d16c344 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いづみ | 作成日時:2019年2月28日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。