【刀剣乱舞】LOVE/LIKE/アイ？【短編集】 (ページ13)

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写し・名前ページ13

り「ま、愛を伝えるのは大事な事だな。この仕事じゃ何時死んでもおかしくはない」

騒いでいる所にりくが区切りを入れるようにそう言った。
続いてあいりも同意するように首を振る。

ひ「最近じゃ、審神者を直接狙って来る奴もいるみたいだし」

　「初耳」

あ「噂聞かない?あー、Aはド田舎本丸だもんね」

　「…反論出来ないな」

ひ「霊力弱い審神者んとこに襲撃して本丸ごとぶっ潰すらしい。まぁAは強いし大丈夫でしょ」

り「僕等の区域の本丸もこの前襲撃されたらしいし」

ひ「不味いよね」

あいり、ひなの、りくは同じ区域で本丸を持っている。その為情報共有も容易という訳だ。そして同じ区画で本丸襲撃が起きたとなれば、敵はまだその近くに潜んでいて次のターゲットを狙っているとも考えられる。

あーだこーだと妄想を広げている内に、3時間経っていた。3人と別れを告げ、本丸へ戻るとする。

中庭を通って玄関に向かうと、山姥切、山伏国広兄弟が畑仕事をしているのが見えた。

伏「主殿!ご帰還なさったか!」

　「あぁ。ただいま」

まんば。そうだ、言わねば。

山「…」

　「ただいま…」

まんば。
たった三文字なのにその一言が重い。

微妙な空気が3人を覆った。

伏「そういえば、短刀たちが裏山で野イチゴを摘んだとかで、主殿を探しておりましたぞ。拙僧が呼んできましょう」

そう言うや否や、収穫した冬瓜をひょいと抱えて玄関に走って行ってしまった。
ああいう雰囲気が苦手なのだろうとは思うが、残された私達の事も考えて欲しい。

山「随分と帰りが遅かったな。と言ってもまだ日暮れ前だが」

　「友人と話し込んでしまってな。お前の事も話題に上がったぞ」

いいぞ。然り気無く話を持って行け。

山「写しである俺について、一体何を…」

よし食い付いた!

　「…名前についてとか」

山「名前?」

　「私はお前の事を山姥切と呼んでいるだろう。でも本歌もいる事だし、変えた方がいいのでは、と…」

山「ただの写しは山姥を切っていないからな」

皮肉っぽく呟き、布に触れた。

また卑屈な事を、と正直うんざりしそうな所を押し殺し、彼の顔を覗き込む。