汝は罪ありき モルフォーニャ キングオ ページ8
モ「あれ、リタ？」
モルフォーニャは意識を取り戻した。目の前には瞳を泳がせるリタの姿があった。
バグナラクによるゴッカン襲撃は、リタの迅速な対応により比較的小さい被害で収まった。とはいえ怪我人は少なくなく、イシャバーナから派遣された治療部隊があちこちを走り回っている。
モルフォーニャは首にそっと手を当てた。
リ「首が痛むか」
モ「あ、いえ。痛くはないんですけど」
首に熱を持っているような違和感があった。
ふと、あることを思い出す。
モ「……テミスは？」
フイ、とリタが目を逸らす。
バグナラクに襲われ、彼女は玉座の前で倒れた。意識が朦朧とする中、テミスの影を見た気がしていた。見間違いでなければ、恐らく、彼女が守ってくれたのだろう。
まさか、そんなはずは。モルフォーニャが唇を噛んだその時だった。
テ「あっ、モルフォーニャさん。よかった、気付いたんですね」
背後からテミスの声がした。
バタバタと駆け寄ってきたテミスはモルフォーニャに負けず劣らずの大怪我だったが、体力が桁違いなのか気力が底抜けのか、ともかくあちこちを走り回って民衆の救助に当たっていた。
彼女は少し躊躇った後、思い切ってリタに問い掛けた。
テ「リタ裁判長、私、死罪じゃないですよね？」
リ「当然だ。お前は良くやってくれた」
テ「良かったぁ」
リ「但し、事情聴取はしないといけない」
テ「え？」
リ「玉座の間で、モルフォーニャに何をしようとしていた。返答によっては殺人未遂でパクるぞ」
テ「あの、あれは……昔のことを思い出して。殺人が生き甲斐だったときのことを」
凄むリタにたじろぎながらも、テミスは懸命に説明した。
テ「モルフォーニャさんは、王になりたがってなかったから、守るべきか、殺すべきか分からなくて……でも、何故か、出来なくて。やれと言われればやれたんですけど、自分の気持ち的には、殺したくなくて。とにかく後回しにしようって」
リ「それは殺人予告か？」
テ「いやっ、ち、違……」
モ「リタ、もうやめてあげて下さい」
リ「しかし、お前は殺されかけたんだぞ」
モ「何のことですかぁ？ テミスは脈を測ってただけですよー。ねぇ？」
嘘を吐けないテミスはええと、言い淀んだ。これは偽証罪にならないのだろうか。
そんなテミスの反応を無視し、モルフォーニャは
モ「ありがとうございます、テミス。お陰で助かりました」
と言って微笑んだ。
殺されかけた本人がこの調子なので、リタが出る幕はなかった。
テミスも、初めて会った時より随分優しい表情になっている。きっと、彼女なら大丈夫。やり直せる。ゴッカン国王はそう信じた。
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鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (
レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます！ 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね！ 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)｣ というのはどうでしょうか…？ 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は｢自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます！感想もとても嬉しいです！何か設定などにご希望はございますか？ (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いづみ | 作成日時：2023年7月17日 22時
