汝は罪ありき モルフォーニャ キングオ ページ7
バグナラクがゴッカンを襲撃した。氷の大地が踏み荒らされ、白く美しい国は土に塗れた。そしてその日、リタは不在だった。なす術もなく民衆は倒れていった。
サナギムが次々と襲ってきて、その度テミスが撃退しているが、キリがなかった。
「サナギムを刺したら、有罪ですか？ 私、死罪ですか？」
ぽつりと、ここにはいないリタに呼び掛ける。
テミスに次はなかった。殺人罪で無期懲役の判決を受けたが、リタからは、次罪を犯したら死刑に処すると宣告されている。
「……いや、リタ裁判長も倒してたから多分大丈夫。最悪、正当防衛だ」
とはいえ、生身のテミスには限界があった。ある程度サナギムを倒すと、玉座の間に駆け込んだ。
「……モルフォーニャさん？」
玉座の前に、重症のモルフォーニャが倒れていた。側に寄って呼びかけても意識が朦朧としていて返事をしない。テミスは頭が真っ白になった。どうすればいいか分からなかった。
「モルフォーニャさん、死んじゃ駄目です。跡取りなんでしょう？」
フ、とある考えが頭を擡げる。モルフォーニャは跡取りになりたがっていない。ならば、彼女の命を守る意味はあるのだろうか。
「モルフォーニャさん、私、貴女を守るべきなんですか、殺すべきなんですか」
彼女は呼びかけても答えない。
グ、とモルフォーニャの首を両手で掴む。このまま首を絞めることができる。骨を折ることも、頸動脈を掻き切ることも、テミスには容易なことだった。なのに、ここから全く動けない。
殺人という行為に生きるよろこびを覚えていたことを思い出す。胸の奥底に眠っていた自分が目覚める。反面、目の前の人物を殺したくないと思う自分も確かにここにいる。
「モルフォーニャさん、目を覚まして下さい。私、貴女を殺したくはない。けれど、貴女のためなら殺せます！」
指先がブルブルと震え出した。力を込めるのと緩めるのが同時に行われていて、変な緊張に襲われていた。
ガタンと音がして、サナギムが侵入してきた。最早時間はない。立ち上がって害虫に対峙する。
「少なくとも、モルフォーニャさんを殺すのはお前たちじゃない」
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鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (
レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます！ 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね！ 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)｣ というのはどうでしょうか…？ 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は｢自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます！感想もとても嬉しいです！何か設定などにご希望はございますか？ (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いづみ | 作成日時：2023年7月17日 22時
