汝は罪ありき モルフォーニャ キングオ ページ6
リタに頼まれ、モルフォーニャとテミスはとある事例の調査をしていた。何やら「特殊な事件」が発生したらしく、どういう罪状になるのかリタにも判断が難しいらしい。
そこで、被害者と加害者の身辺調査に忙しいリタに代わり、モルフォーニャとテミスは前例がないか裁判所の倉庫内をひっくり返して書類を漁っているという訳だ。
初めはもくもくと過去の事例を読み込んでいたが、丸一日、一週間ぶっ通しで文章を眺めていたので流石に疲れていた。眼精疲労が溜まり、正直2人とももうあらゆる文字という文字を視界に入れたくなかった。
一瞬休憩しようと言って、2人は机の上に突っ伏した。それから何分経ったのか分からない。このまま寝てしまいたい、とモルフォーニャが目を瞑ったその時、ふとテミスが問いかけた。
テ「そういえばモルフォーニャさん、跡取り候補なんですか」
モ「そうですよー。知りませんでした?」
テ「凄いですね」
モ「そんなことないですって。面倒臭いだけ」
テ「いえ、その、リタ裁判長は、今から自分の跡取りのことを考えているんだなと」
モ「まぁゴッカン特有でしょうねぇ。いつ死ぬか分からない環境というか」
テ「大変ですね」
モ「そうなんですよ。あーあ、やだなぁ」
2人とも、いつの間にか体を起こしていた。
こういう身の上話をするのは初めてだった。
テ「何で嫌なんですか」
モ「だって、変に責任とか重くなるし、自由もなくなるし……皆から嫌われるし」
はて、とテミスは首を傾げる。
テ「私はモルフォーニャさんのこと、好きですよ」
モ「あ、あはははは。テミスは相変わらずですねぇ」
少し顔を赤らめて俯く。
そんなモルフォーニャを見て、テミスは不思議そうに彼女を見つめた。
テ「断れないんですか。嫌って言えないんですか」
モ「無理ですよぉ。決定事項ですし。私が死んじゃうか、他に優秀な候補が出てこないと……あ、変わってくれます?」
テ「私じゃ無理ですよ」
モ「……」
そうですね、とか、或いは、そんなことないですよ、とか、何かしらの返答を待っていたが、モルフォーニャは無言だ。少し体勢を変えて彼女の顔を覗き込むと、涎を垂らして眠っていた。何だか申し訳なくなり、テミスは静かに仕事に戻った。
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鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます! 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね! 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)」 というのはどうでしょうか…? 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は「自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます!感想もとても嬉しいです!何か設定などにご希望はございますか? (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いづみ | 作成日時:2023年7月17日 22時