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汝は罪人なりや リタ キングオ ページ5

現在、私はサイバーン城でリタ裁判長のお手伝いをしている。これが私の懲役。毎日、被告人の身辺調査をしたり、証拠を集めたり、地味な作業ばかりだ。
何故、リタ裁判長は私を無期懲役にしたのだろう。私は悪いことをしたのだろうか。
殺さなければ、殺されていた。殺さなければ、食べていけなかった。私がいたのはそういう環境だった。殺されそうでなくても、仕事の依頼も何もなくても、ただ息を吐くように、歩くために足を前に出すように、私は人の首に刃を立てた。何も楽しくはなかった。ただ自分の生きている限り、殺人とは自らの証明であり、本能であり、生きる意味でもあった。
人は必ずいつか死ぬ。それがたまたま、その時だった。手を下すのが、私だった。それだけだ。だから何も悲しむことはなく、怒りに打ち震える必要もない。遺族にはそれが分からない。


 「業務終了しました。お疲れ様です」

リ「あぁ」

 「リタ裁判長」

リ「何だ」

 「私は何故、裁かれたのでしょうか」

リ「お前が罪人(ざいにん)だからだ。殺人は、重罪だ」

 「何故、死刑ではなく、無期懲役だったのですか」

リ「お前はやり直せるからだ。自身の成したことを理解し、罪を背負い、反省しろ」


分からない。私は罪人なのだろうか? そうであるならば、私の生きる意味とは? これからどう生きれば良い?
私は何故、生まれてしまったのだろう。悩むことになるくらいなら、いっそ死刑にしてくれれば良かったのに。


 「私、リタ裁判長が嫌いです」

リ「……そうか」


少し目を伏せて、リタ裁判長は階段を降りていった。何故だか、背中が寂しそうに見えた。

汝は罪ありき モルフォーニャ キングオ→←汝は罪人なりや リタ キングオ



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鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます! 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね! 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)」 というのはどうでしょうか…? 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は「自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます!感想もとても嬉しいです!何か設定などにご希望はございますか? (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いづみ | 作成日時:2023年7月17日 22時

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