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AIコトバ ゼロワン 亡 ページ22

まさかな、と思った。まさか本気だなどと、誰が考えるだろう。川沿いの道、少し河川敷を気にかけながら歩いていると、彼女を見つけた。
Aは昨日と同じ場所にいた。
気配を感じたのか、くるりとこちらを振り返り、嬉しそうに笑った。その手には、何故かメロンパンを持っていた。


 「来てくれたのね」

亡「帰り道ですので」

 「あらそう。そういうことにしておくわ」


そう言って、メロンパンの皮をむしって地面に落とす。また変なことをしているようだ。


亡「何をしているのですか」

 「メロンパンをお裾分け」


理解できず、亡は地面に落ちたメロンパンを凝視した。そして、ぎょっとして一歩後退った。蟻がメロンパンに群がっていた。小さき者たちは食糧を己の巣に運ばんと、力を合わせてメロンパンを持ち上げている。良く見れば彼女の名前の足元まで蟻の行列は続いており、そこに彼らの巣があるらしかった。
Aの手元のメロンパンは、本来上部にあったであろう皮と呼ばれる部分の殆どがなくなっていた。一体どれほどのメロンパンの皮が、どれほどの時間を掛けて捧げられたのだろう。途方もない労力に、亡は想像するのをやめた。意味が分からない。


 「メロンパンの皮って、サクサクカリカリの部分あるじゃない? 私、あれの必要性が分からないのよね」

亡「あれが好きでメロンパンが好きという人が殆どだと思いますが」

 「下のサクサク感が丁度いいのよ。皮の部分はわざとらしい」


今日も彼女の世迷言は絶好調だ。


 「そういえば、ヒューマギアって食事は取るの?」

亡「ヒューマギアに食事は必要ありません」

 「ふぅん。じゃあエネルギーはどうやって取り込むの?石炭派とか石油派とかあるのかしら」


咄嗟に、は? と言いかけて、亡は口を噤んだ。これまでの彼女との会話から、何となくどういう意図の質問なのか、思い当たる節があった。


亡「エネルギーを口にする訳ではありません。充電式ですので。電気にも味はありませんし」

 「あら、そうなの」


あっさりと言ってAはメロンパンをむしる作業に戻った。サクサクの部分が大方なくなって、上部は白い生地が剥き出しになっていた。随分寂しい見た目になっていたが、彼女は嬉しそうにメロンパンに齧り付いた。


 「ごめんなさいね、さっきから変なことを聞いて。身近にヒューマギアがいないものだから、あまり仕組みについて、分かっていないのよ」

亡「別に変だとは」


メロンパンを咀嚼しながらAは続ける。


 「今時、ヒューマギアに馴染みがないってかなり変わってるとは思うの。私の父がヒューマギア嫌いでね、余り関わってこなかったのよ」

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鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます! 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね! 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)」 というのはどうでしょうか…? 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は「自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます!感想もとても嬉しいです!何か設定などにご希望はございますか? (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いづみ | 作成日時:2023年7月17日 22時

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