検索窓
今日:26 hit、昨日:34 hit、合計:4,682 hit

口寂しい季節 エグゼイド パラド ページ15

「あ」

チョコレートの最後の一粒を口に入れた瞬間だった。パラドがCRに入ってきたのは。先日別種類のチョコレートをあげたところ大いに気に入っていたので、もうないと知ったらがっかりしてしまうだろう。
パラドは表情を変えずこちらに向かって歩いてくる。彼を悲しませないように笑顔を崩さないまま、Aは言う。


 「また買ってくるから今度ふぇ?」


Aの思考が止まる。何が起こっているのか分からない。
端的に言えばパラドがAの口に指を突っ込んでいる。無遠慮にAの口内を弄り、何かを探すように隅々まで指を動かす。


 「ひゃめなはい……」


Aは弱々しく声を上げた。その顔は赤く熱を帯びている。口蓋、舌の側面から裏側に至るまで指でなぞられ、体が勝手にゾクゾクと震えた。初めての感覚だった。
その実、Aは口の中が弱かった。爪噛み癖が治らなかったのも、お菓子を摘んでしまうのも、全て、口へ快楽を与える為に無意識に行っていたことだった。
これ以上続くと自分が自分でなくなりそうだった。力を振り絞り、パラドの手を掴み無理矢理引き剥がす。その指はチョコレートで汚れていた。


 「こら! ばっちいでしょ!?」


自分でも予想外の言葉が飛び出た。幼稚園児を叱っているみたいだ。鞄の中からウェットティッシュを取り出し、パラドの手を拭いてやる。
彼は不服そうにしながらもされるがままだった。

口寂しい季節 エグゼイド パラド→←口寂しい季節 エグゼイド パラド



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
設定タグ:特撮 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます! 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね! 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)」 というのはどうでしょうか…? 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は「自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます!感想もとても嬉しいです!何か設定などにご希望はございますか? (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いづみ | 作成日時:2023年7月17日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。