プリーズ・プリーズ・ミー ガッチャード 錆丸 ページ11
宝「おはようございまーす！」
そこに元気な挨拶と共に飛び込んで来たのは宝太郎だった。後ろにはりんねもいる。いつもなら何とも思わない彼の来訪が、今日は救いとなった。2人が立ち上がったため、錆丸は漸く気まずい思いから解放された。
蓮「ナイスタイミング！ 丁度お宝ちゃんの話しとったところやで」
「おはよう、りんねちゃん。宝太郎君ははじめましてか」
宝「はい！ 俺、一ノ瀬宝太郎です！ よろしくお願いします！！」
蓮「お宝ちゃん声デッカ」
宝「Aさんは優秀な錬金術師だって聞いてます。一度お話ししてみたかったので、感激です！」
4人は集まってワイワイと何やら話をしている。錆丸は1人ポツンと取り残されていた。
挨拶されただけで胸が大きく鳴ってしまった先程の自分に喝を入れたい。勘違いするな、身の程を知れ。優秀で明るくて可愛い素敵な彼女が、自分なんか気に留める訳がない。挨拶はただの挨拶。皆にもしていたではないか。何を拡大解釈しているんだ、自分は。
「どうしたの？」
錆「自己嫌悪になってて……」
「何が？」
錆「いや、あの……」
会話の輪から抜け、いつの間にかAが側に座っていた。
ア「ただの勘違いだ。気にすんな」
アイザックに代弁させる。彼女の目を見ることができない。俯いたまま、彼はタブレットを握り締めた。
急にAが錆丸の手からタブレットを奪い取った。そして彼の顎を手で取り、強制的にAの方を向かせる。
「勘違いじゃないかもしれないのに？」
錆「へぁ……？」
「実際に確かめてみたの？」
無言で首を横に振る彼を見て、Aは目を細めてみせた。
「じゃあ、聞いてみないと分からないよね？」
今度は高速で首を縦に振る錆丸を見て、Aは口の端を吊り上げた。彼の顎に触れていた手で頬を撫でる。錆丸は背筋を震わせ、彼女の瞳から目が離せなくなった。
どのくらいの時間見つめ合っていただろうか。蠱惑的なAの表情が、またいつもの優しい笑顔に変わった。Aはタブレットを返すと、何事もなかったかのように、蓮華たちとの会話に戻った。
暫く呆然としていたが、ハッと意識を取り戻すと錆丸は椅子から滑り落ちた。何だったのだ、今のは。
彼女の言うことが何を指しているのか具体的には分からない。考えすぎかもしれない。それでも彼は願わずにはいられなかった。
彼女と同じ思いでありますように。
そして願わくば、この勘違いがどうか叶いますように。
後藤を待ちながら オーズ→←プリーズ・プリーズ・ミー ガッチャード 錆丸
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鶴葉 - いづみ様の好みにあった設定だったようで嬉しいです! ありがとうございます。 楽しみにお待ちしております! (3月23日 23時) (
レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» 返信ありがとうございます！ 好きな感じの設定なのでちょっとニヤニヤしてしまいました。今書いている話が終わったらすぐ書き始めますね！ 少々お待ちください。 (3月21日 0時) (レス) id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - それ以降、スタークは主に付きまとわれるようになる。面倒だと思いながらも主の事を始末しようとしない自分自身に苛立つスターク。(感情が無いためこの気持ちがどういうものか分からない。)｣ というのはどうでしょうか…？ 主は明るくてお転婆な感じだと嬉しいです…! (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
鶴葉 - ご返信、リクエストの受付ありがとうございます! お返事が遅くなり申し訳ございません…! 設定は｢自分にとって不要になったスマッシュを倒しただけのスターク。そのスマッシュに襲われていた主は助けてくれたと勘違いして好きになってしまう。→続きます。 (3月21日 0時) (レス) id: 547353d65f (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 鶴葉さん» リクエストありがとうございます！感想もとても嬉しいです！何か設定などにご希望はございますか？ (3月17日 23時) (レス) @page22 id: dd0d1755d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いづみ | 作成日時：2023年7月17日 22時
