胸が高鳴るのは……？ ギーツ キューン リクエスト ページ37
推しに接触するなんて、オタクの風上にも置けない。ファンなら陰ながら応援するのが筋ってもんじゃない？
同じ推しであろうとスタンスが違えば仲は決裂する。オタクとは難儀な生き物だ。
しかし許せないのは、奴が袮音ちゃん
とにかく奴をTOとは認めたくない。その一心で私はひたすら課金した。削れるところは削って、所持金のほぼ全てを袮音ちゃんのために使った。そしてついに先月、課金額がキューンを上回った。貯金は底をついたが、後悔はない。
ライバルなど生温い。奴は「敵」だ。
その筈なのだ。
先日、久しぶりにキューンと会って話をした。スタンスは違えどやはり同じ推しを推す者同士、袮音ちゃんの魅力を語り合うのは楽しかった。敵視しているのも忘れ、意気投合などしてしまった。話す内にどんどん喉が乾き、グラスの酒は次々注がれた。
気分が良くなり始めた頃、ふとキューンが衝撃的なことを口にした。少し得意げに、鼻を鳴らして。袮音ちゃんに接触したと言うのだ。これには空いた口が塞がらなかった。
ポエミーな手紙も相当気持ち悪いが、直接会って偉そうに講釈垂れるのは厄介過ぎて最早引く。
あぁやだやだ。どの面下げて説教したんだか。
じとり、と私はキューンを横目で見た。奴は珍しく、過去人の姿のままだった。
うざったい前髪から覗く瞳にどきりとする。イケメンをアバターにするなんて、推しの王子様気取りか？ などと、胸の高鳴りを誤魔化すように悪態をついてみる。
「キモいわー。手紙だと超饒舌のくせに直接だと素直に褒められないとかさー。何だっけ？ こないだの手紙。『世界中が敵になろうとも』〜？」
キ「私は君の味方だ」
「無理〜！」
私に言われた訳でもないのに顔が熱くなった。これは共感性羞恥だ、と言い聞かせて、キューンの肩をバシバシと叩く。
いつからこんな感情を抱くようになったのだろう。袮音ちゃん推しになってから？ デザグラを見始めた辺りから？
或いは、最初から？
「……ないわ〜」
その言葉はグラスの水と共に、私の喉奥に飲み込まれていった。
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刻卯さん、リクエストありがとうございました！
タイトルはそんな少女漫画あったなー、ということで語呂の良さから付けました。
こいつを理解できるのは私だけ、みたいに思ってる子が好きです。キューンを散々言ってるけどこの子も大概厄介オタク。
キューンさんは未だ謎が多いキャラクターなので書くのが難しかったです。
こきのきこ ドンブラ ムラサメ→←胸が高鳴るのは……？ ギーツ キューン リクエスト
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いづみ(プロフ) - 刻卯さん» 承知しました！ (2023年2月28日 15時) (
レス) id: c26acdadd4 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - いづみさん» 敵同士なのに好きになっちゃった的な設定でお願いしたいのですが難しいかったら甘めのお話をお願いします。 (2023年2月28日 7時) (レス) id: e20218d379 (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 刻卯さん» コメントありがとうございます！リクエスト了解しました！何かご希望の設定や展開はございませんか？ (2023年2月27日 21時) (レス) id: 28595e5e52 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - はじめまして！リクエスト失礼します。ギーツでキューンくんを書けたらで構いませんのでお願いします。 (2023年2月27日 16時) (レス) id: e20218d379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いづみ | 作成日時：2022年12月2日 22時
