3人で服を買いに行く話 リバイス 大二とカゲロウ ページ35
白いカーテンが内から引かれた。中から現れたのは、先程の紺のスカートに大二が追加で持って来た白いブラウスを着たAだ。トップスににあしらわれたフリルとスカートの中でふわりと揺れるパニエが可愛らしいコーディネートだった。
彼女の姿に大二は勿論、カゲロウも感心していた。しかしAは居心地悪そうに身じろぎしている。
「こういう格好は普段しない、というか避けていたからなー……」
大「似合ってると思うけど」
カ「馬子にも衣装ってやつだな」
Aはカゲロウを睨み付けた後、溜め息を吐いて2人を見やった。どちらが彼女のお眼鏡に適ったのか、と結果待ちの表情だった。
仕方なく、彼女はジャッジを下すことにした。
「カゲロウの選んだ服は、私の骨格に合っている。こういう楽なシルエットも好みだ」
ふん、と彼は得意げに胸を張った。
「けれど、普段使いはできない」
先程との落差でカゲロウは躓いた。口を開き抗議の声を上げようとしたが、それをスルーしAは大二の方を向いた。
「五十嵐くんの選んだ方は、私の顔の雰囲気に合っているし、まぁ、職場に着ていけないことはない」
彼は分かりやすく表情を明るくした。自分の勝ちを確信している顔だった。
「だが、こういう服は私の避けている系統。という訳で、結果は引き分け。ドロー」
えぇー、と両者は不平を漏らした。不満げに口を歪める2人をあしらいAは試着室のレールカーテンを引いた。ゴソゴソと着替える音がしていたが、暫くして中からカーテンが引かれ、元のスポーティなAが出て来た。
「今日は私のコーディネート対決をしに来た訳じゃないでしょう? ほら、行くよ」
大「行くって、どこに?」
「当然、五十嵐くんの服を買いに」
大「え、まだ買うの?」
カ「ったりめーだろ。テメェの箪笥の中を満たすにはこんだけじゃ足りねぇよ」
ブラウスとスカートを元の位置に戻し、Aは大二達と店を出た。ふと振り返って、ショーウィンドウのマネキンを見る。
大「どうした?」
急に立ち止まった彼女に大二は声を掛けた。横顔しか見えないが、何か考え事をしているような表情だった。
「いや、何でも」
行こう、と言ってAは前を歩いた。
長い休日になりそうだった。
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いづみ(プロフ) - 刻卯さん» 承知しました! (2023年2月28日 15時) (レス) id: c26acdadd4 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - いづみさん» 敵同士なのに好きになっちゃった的な設定でお願いしたいのですが難しいかったら甘めのお話をお願いします。 (2023年2月28日 7時) (レス) id: e20218d379 (このIDを非表示/違反報告)
いづみ(プロフ) - 刻卯さん» コメントありがとうございます!リクエスト了解しました!何かご希望の設定や展開はございませんか? (2023年2月27日 21時) (レス) id: 28595e5e52 (このIDを非表示/違反報告)
刻卯(プロフ) - はじめまして!リクエスト失礼します。ギーツでキューンくんを書けたらで構いませんのでお願いします。 (2023年2月27日 16時) (レス) id: e20218d379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いづみ | 作成日時:2022年12月2日 22時