【特撮】そのままのあなたで【短編集】

捨身月兎 ギーツ 英寿 ページ20

英寿は逃げる途中、宝箱を拾った。開けてみると、バックルが入っていた。白い四角が描かれている。何の武器なのか全く分からない。


　「浮世くんも拾ったんだ」


後ろからふいに話しかけられた。


英「バーニーも何か拾ったのか」

　「私のは鋏。浮世くんのは……何それ」

英「さぁ」


会話しながら歩いていると、曲がり角の先でバッファが戦っているのを見つけた。右腕に、チェーンに繋がった岩のような武器を携えている。


　「吾妻くんのは石？」

英「なるほど、そういうことか」


英寿が呟いた途端、バッファはジャマトの攻撃に吹き飛んだ。地面に転がり変身が解除された。ヤバい、と言って彼女はジャマトの前に立ち塞がった。変身すると、右腕にシザースが装着される。巨大な鋏だ。斬り付けるようにして攻撃すると、ジャマトは呆気なく消滅した。
喜ぶ間もなく、新たなジャマトが現れた。1体目を倒して自信が付いたバーニーは、その勢いのまま鋏を振りかぶる。


英「待て！ そいつは……」


陰から見ていた英寿が飛び出して制止する。しかし一足遅く、彼女はジャマトに反撃され変身解除に追い込まれた。
英寿はジャマトに立ち塞がり、ペーパーバックルで変身した。手には大きな紙が携えられている。彼は器用に紙を折り、一本の剣を作った。紙の剣はジャマトの体を貫き、消滅させた。

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