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『し、燭台切？大丈夫か？』
やっぱり返事がない。
『入るぞ？』
ス....
恐る恐る部屋に入ると
とんでもない光景が目に入った。
『え........燭台切....？』
そこには、床に倒れている燭台切がいた。
急いで駆け寄り体を抱き起こすと、ものすごく熱い体温が伝わってきた。
息はしているものの、荒く、とても苦しそうだ。
『おい！大丈夫か！？燭台切！？』
返事はない。ただ苦しそうな呼吸音が聞こえるだけ。
薬研を呼んでこないと。このままじゃこいつが。
『ちょっと待ってて。すぐに薬研呼んでくるから。』
そう伝えて布団に寝かせ、部屋を出ようと離れると、すぐに動けなくなった。
袖を引っ張られたから。
『燭台切？起きて((「....じ。」........え？』
燭「ぁ、るじ........。」
主。これはおそらく、姉さんのこと。
夢でも見てるのかな。やっぱり姉さんがいいんだよね。
今日くらいは、代わりにならせて。
『大丈夫だよ燭台切。ここにいるからね。』
姉さんの声をまねて、俺の服の袖をつかむ手をなでると、キュッと握り返してきた。
燭「............。」
しばらくすると、安心したのか眠りについた。
主。この人たちの主。この本丸の主。
燭台切にとっての主。
姉さんは、さぞかし愛されて、愛してきたんだろう。
こんなにも思ってくれる人がいて、たくさんの人に囲まれて、笑って。
俺が今どんなに頑張っても、姉さんが築いてきた信頼とか友情とか、愛情とかには到底及ばなくて。
『俺は、姉さんの代わりにすらなれないんだね。........もう、終わらせるから。君がみんなのために頑張るんだよ。............一回だけでいいから、君に主って呼んでほしかったな。』
言ってて悲しくなってきた。
そろそろみんな食器下げてくれたころかな。
洗いに行こう。
俺は自分の気持ちをごまかそうと、よいしょっと声を出して立ち、厨へ向かった。
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魄鴉(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2017年10月7日 1時) (
レス) id: 1062c19011 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 面白かったです。引き続き楽しみにしています！更新頑張って下さい。 (2017年10月5日 11時) (レス) id: c5e0ba92a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魄鴉 | 作成日時：2017年9月12日 22時
