過去編 3 ページ10
* * * *
「……どうして、その名前にしようと思ったの?」
「……なんとなく」
撫でる手を止めない。
でも、名前を決めたのは本当になんとなくだ。
目の前にいる妹に似合う名前は何千、何万とある。
でも、直感的にコイツに似合う名前はこれしかない、と思ったのだ。
「この子も、お兄ちゃんに名付けてもらって嬉しいと思うわ」
「……でもコイツ喋んないよ」
「言葉にしなくても、嬉しいものは嬉しいのよ」
「掴んで離さない指が、その証拠でしょう」と、母は言う。
「……まぁ、そうかも」
その時、妹の掴む指の力がほんの少し強くなった気がした。
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ひふみ。 - あんっちさん» ありがとうございます!! これからも推しの力で頑張ります!! (2021年1月23日 13時) (レス) id: e27b1a5dfd (このIDを非表示/違反報告)
あんっち - ひふみ。(作者)様!素敵な作品をありがとうございますっ!これからも更新頑張ってください。応援してます! (2021年1月23日 13時) (レス) id: fc837b6462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひふみ。 | 作成日時:2021年1月3日 20時