過去編 2 ページ9
「……」
母親の腕の中にいる赤ん坊は、すよすよと規則正しい寝息を立てていた。
自分とは違う色の髪、違う大きさの手。
なんだか一つの人形の様だった。
少年は近くに座って、赤ん坊をしばらく眺めた。
そして人差し指を伸ばす。
赤ん坊はその人差し指を小さな指でそっと掴んだ。
「うわっ」
少年は起こしてはいけないと思い、口を手で押さえる。
どうして寝ているのに掴めるんだ、と瞬間的に思った。
でも指を掴まれた時、なんだかようやく兄になったんだという実感がわいて、少し嬉しくなった。
その指を優しく撫でる。
「この子、まだ名前決まってないの。アナタが決めてあげて」
「……、じゃあ」
320人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひふみ。 - あんっちさん» ありがとうございます!! これからも推しの力で頑張ります!! (2021年1月23日 13時) (レス) id: e27b1a5dfd (このIDを非表示/違反報告)
あんっち - ひふみ。(作者)様!素敵な作品をありがとうございますっ!これからも更新頑張ってください。応援してます! (2021年1月23日 13時) (レス) id: fc837b6462 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひふみ。 | 作成日時:2021年1月3日 20時