過去編 1 ページ8
◇
――おぎゃあ。
2002年、9月。
ある呪術師の家に、赤ん坊の泣き声が響いた。
女性の使用人達は母親がいる部屋にバタバタと出入りする。
部屋の中心にいる2児の母となった女性は、とても幸せそうな笑顔を浮かべる。
「とても元気な女の子です!」
使用人の一人が言う。
すると周りは「きっと奥様そっくりの美人になるわ」「どんな呪術師になるか楽しみだな」と現状を嬉しがる者もいれば、もう将来のことを言っている者もいた。
その光景を、宝石のような目は見ていた。
* * * *
その赤ん坊が生まれて次の日。
「……」
部屋の襖の後ろで兄になった少年はそわそわしていた。
産まれたばかりの妹は見たいが、どう入ればいいのか分からないのだ。
その影は部屋にいる母親からは丸見えで、母はクスッと笑った。
そして少年の名前を呼ぶ。
「こっちにいらっしゃい。妹の顔を見てあげて」
少年はゆっくり、ゆっくりと部屋の中に入り、妹を見た。
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ひふみ。 - あんっちさん» ありがとうございます!! これからも推しの力で頑張ります!! (2021年1月23日 13時) (レス) id: e27b1a5dfd (このIDを非表示/違反報告)
あんっち - ひふみ。(作者)様!素敵な作品をありがとうございますっ!これからも更新頑張ってください。応援してます! (2021年1月23日 13時) (レス) id: fc837b6462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひふみ。 | 作成日時:2021年1月3日 20時