切れ長な瞳 ページ45
11月7日、火曜日。
赤や黄色に色付いていた木々は徐々に減っていき、
道端にはどこからか飛んできた枯葉が溜まっている。
立冬はもう過ぎたのかもしれない。
真正面から吹いてくる北風に当たりながら、
私はしみじみと冬の訪れを実感していた。
さて、時刻は13時3分。
…冬、感じてるなう……である。
「うわーん!!!5時限目にも間に合わないよー!!!」
来月の大会が楽しみで早くも下調べを始めてしまい、
もちろん辞められなくなって5時まで起きて寝落ちして、
次起きたら13時を回っていて、このザマだ。
こんなときにしっかり8時間寝るなホントに。
母親は朝早くから仕事なので起こしてなんてくれない。
とりあえず40秒で支度し食パンを咥えて家を出たものの、
走りながら食えるわけは無いので本当に咥えたままだ。
走りながらイカホを見ると、着信履歴が10件以上。
エフテン、エフテン、エフテン、エフテン…………。
めっちゃくちゃ心配させてしまったことは理解できた。
流石に授業中なのでかけ直すことは出来ない。
そういや今日5､6時間目は選択科目パレードだったような…。
ああぁぁよりによって大事な用事がある日に…。
「後でエフテンちゃんに謝らなくちゃ…」
独り言を呟きながら私は全速力で住宅街を駆け抜ける。
角を曲がると、前方は塀が隔てられていて行き止まり。
あの塀を登って駐車場を抜ければ近道だ。
邪道ではあるが、今はそんなこと言ってられない。
私は自分の身長より少し高い塀の縁に手をかけ、
勢いよく塀を駆け上った。
あとは飛び越えて着地するだけ…のはずだった。
塀の裏に誰かが立っている。
ボーイだ。なにやら携帯を弄っている。
私がそれに気がついたのは既に足まで塀を飛び切り、
先に出た足がボーイを蹴り飛ばそうというときだった。
ぶつかる!!!!!
次の瞬間。
ボーイが顔だけ振り向いた。
「……………」
切れ長な瞳が、空中に漂っていた私を捉える。
目が合った瞬間ボーイは素早く右へ避けた。
「えっ！？」
私が慌てて体制を立て直し着地するが、バランスは不安定。
もちろん足が着いた瞬間に前へよろけてしまった。
「うわわわ!!!」
転ぶと思って目を瞑った。
が、私が地面へダイブすることは無かった。
先程私を避けたボーイが腕を掴み、
そのまま自分の方へ手繰り寄せたからだ。
混乱しながらも、私は顔を上げて彼を見た。
視線が、重なる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
( ´・ω・｀)しょぼん(プロフ) - 餅太郎0409さん» ただいまです〜！待っていらしてたとはっ！！！自分観劇で涙が止まりませぬ！！！頑張りまくります！！！ (7月13日 23時) (
レス) id: 297b174554 (このIDを非表示/違反報告)
餅太郎0409(プロフ) - ギャぁ〜!!!お帰りなさい〜!!!待ってました！これからが楽しみです！頑張ってください！！！ (7月13日 23時) (レス) @page29 id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
( ´・ω・｀)しょぼん(プロフ) - かりんとうさん» ひょええぇ待ってた系の人がいるなんて嬉しすぎてハゲました…ありがとうございます(；；)！ (2022年11月10日 14時) (レス) id: 297b174554 (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - 更新ずっと待ってました!!おかえりなさい!! (2022年11月9日 23時) (レス) @page29 id: daf8cc9be4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(´・ω・`)しょぼん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/syobon/
作成日時：2020年10月4日 14時
