仲介 ページ5
顔を上げた。
「ん…………？」
誰かの声がする。
生まれつき私は耳がいい。
耳を済ましながら声のするほうへ走った。
体育館裏に人影が見える。
壁に身を隠しながら視線を動かすと、
3人の男子生徒が立っていた。
水色の髪をした男子生徒がにやにやと笑いながら壁を叩く。
「これくらい、いいだろ？ハチ」
「ボクは今お金なんて持って無いよ」
「でも遅刻には変わんねーだろ？隠すなら協力してやるから千円寄越せって」
ハチと呼ばれた男子生徒は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
｢いや…協力なんて………｣
もう1人の男子生徒は無表情でハチともう1人を眺めるように見つめていた。
「オレは返事次第で、お前が遅刻のフリして始業式サボってましたって言うこともできるんだぜ？」
「普段から遅刻ばかりしてるダブルエッグ君の言うことなんて、誰も信じないよ」
「…チッ、貢ぐ気はナシか」
ダブルエッグと呼ばれた男子生徒が顔をしかめ、
後ろに立っていたもう1人に話しかける。
「ヴィンテージ、こいつちょっと懲らしめてやろうぜ？オレらに反論したことを後悔させてやるよ」
ヴィンテージと呼ばれた男子生徒は顎でハチをさした。
やれ、と言わんばかりに。
ハチの表情が変わった。
ぶるぶると唇が震え、顔が白くなる。
「そんなに怖いなら、最初から言うこと聞きゃあ良かったのにな」
「待って」
急に話しかけられたダブルエッグが｢あぁ？｣と不機嫌そうな顔を向ける。
「お前、誰だよ？制服違うじゃねぇか」
「Aっていうの。知らない？」
「他校の他人を知ってるわけねぇだろ」
「それはおかしいね？始業式で挨拶したはずだけど」
沈黙。これは黒だな。
仕立て屋さんのミスで制服がまだ届いてないことを、
まさか感謝する日が来るとはね。
私はくすりと笑った後、
ハチ、ダブルエッグを交互に見つめた。
「転校生の私以外は教室に戻らなきゃいけない時間だと思うんだけど…もしかして、君たちも遅刻したの？」
「会って早々生意気な女だな」
ダブルエッグが低い声で自分に近づいてくる。
だが、彼の腕を誰かが掴んで、その行動を止めた。
「ヴィンテージ………」
ヴィンテージが無言のままくるりと身を翻して去っていく。
意図を汲み取ったダブルエッグは短く舌打ちをして、
こちらを睨んだ後、校舎へと戻っていた。
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翡翠ユキ(なぜログアウトされた)(プロフ) - 突然来たメタ発言に笑ってしまった (2月27日 22時) (
レス) @page11 id: 785e1889ff (このIDを非表示/違反報告)
R - 煉獄、面白かったです。(´・ω・｀)様もお身体に気おつけて更新、制作頑張ってください。更新期待してます。 (2023年1月4日 20時) (レス) @page8 id: 0f383463f6 (このIDを非表示/違反報告)
( ´・ω・｀)(プロフ) - 月姫＠みのりさん» 煉獄の件は申し訳ないです！楽しみにしててくださいませ(*´ω`*) (2020年1月14日 16時) (レス) id: 4003c9bee8 (このIDを非表示/違反報告)
月姫＠みのり(プロフ) - わーいわーい新作だぁぁ！(今更)更新楽しみにしてます！ (2020年1月14日 9時) (レス) id: b127b8e62f (このIDを非表示/違反報告)
( ´・ω・｀)(プロフ) - アズキさん» 尊敬しますっ、姉貴ぃ！ (2020年1月12日 16時) (レス) id: 4003c9bee8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：(´・ω・`)しょぼん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/syobon/
作成日時：2020年1月6日 12時
