動機と部長 ページ24
4人入って座っても広く感じる部室の中で、
私達は自販機で買ってきた飲み物を飲みくつろいでいた。
今は部活内の事情についての話題になっている。
「部長がアーミーなのは察してたけど…部員って私含めても5人だけ！?」
「そうなんだよね」
「新聞を書くのは奥が深いですから」
セーラーBの言葉に、
セーラーWが｢うんうん｣を首を縦に振る。
「去年はもう5、6人くらい同級生がいたんですが…淡々とした作業に飽きたのか1ヶ月で全員退部してしまいました」
「ネタの情報収集と、それをまとめることに苦痛を感じる人がいるなんて！」
「イラストとか、4コマ漫画とかが目的だったんだろうね」
呆れたようにエフテンがため息をつく。
「少し堅苦しがったのかもな。不甲斐ない」
この学校に、漫画やイラスト関係の部活は無いらしい。
美術部はあるけれど、
そこは展覧会やコンテストに出品する“作品”を作る場所。
新聞部だったら気軽に絵が描ける…とでも思ったんだろう。
「腹立つな…新聞部はなんちゃってイラスト部じゃないっつーの」
「Aさんは、どうして新聞部に入ったんですか？」
「私？」
セーラーBが不思議そうな顔をして、私の顔を覗き込んできた。
顔を上げるとエフテンとセーラーWも、
いつの間にか私の方を見つめている。
「私が新聞部に入ったのは……」
その時ガラガラと音がして、誰かが部室に入ってきた。
「あっ、隊長！お疲れ様です！」
「「お疲れ様です！！」」
エフテン、セーラーB、セーラーWが同時に頭を下げ、
私もつられるように会釈した。
「遅くなってすまなかったな。喧嘩の原因とその後の対応について先生が……」
アーミーの声が途絶え、その視線が私に移動した。
オレンジ色の瞳がまっすぐに自分を見つめている。
「貴様は確か…」
「今日からここ入るの。よろしくね」
「そうなのか！よろしく頼む」
「うん！」
部員が増えて喜んでいるのか、
アーミーの表情が明るくなった気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翡翠ユキ(なぜログアウトされた)(プロフ) - 突然来たメタ発言に笑ってしまった (2月27日 22時) (
レス) @page11 id: 785e1889ff (このIDを非表示/違反報告)
R - 煉獄、面白かったです。(´・ω・｀)様もお身体に気おつけて更新、制作頑張ってください。更新期待してます。 (2023年1月4日 20時) (レス) @page8 id: 0f383463f6 (このIDを非表示/違反報告)
( ´・ω・｀)(プロフ) - 月姫＠みのりさん» 煉獄の件は申し訳ないです！楽しみにしててくださいませ(*´ω`*) (2020年1月14日 16時) (レス) id: 4003c9bee8 (このIDを非表示/違反報告)
月姫＠みのり(プロフ) - わーいわーい新作だぁぁ！(今更)更新楽しみにしてます！ (2020年1月14日 9時) (レス) id: b127b8e62f (このIDを非表示/違反報告)
( ´・ω・｀)(プロフ) - アズキさん» 尊敬しますっ、姉貴ぃ！ (2020年1月12日 16時) (レス) id: 4003c9bee8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(´・ω・`)しょぼん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/syobon/
作成日時：2020年1月6日 12時
