自覚 ページ9
玄関ホールに入った途端、私の考えが如何に浅はかだったかを思い知った。
私の姿に気づいたドラコがこちらに近づいてきたのを見て、今まで何故気にも留めなかったのかわからないほど、私の心臓がウサギのように飛び跳ねたのだ。
うわぁ、こりゃまずい。
思わず呟くくらいには私はこの男に参っているようだった。
というか、昨日ハーマイオニーに言われてじっくり考えた結果、必要以上に意識してしまっている。
「おはようA。見ろよ、ゴブレットに続々と名前を入れていく」
「そっそうね」
「どうした、調子が悪いのか？」
流れるように額に触れないで欲しい。
赤面しそうになった私は、ゴブレットが見たいと言ってドラコを誘導した。
危ない危ない、様子見すると言ったのはどこのどいつだ。
深呼吸をして気を落ち着かせ、視線をゴブレットに向かわせた。
霞のような炎をその縁から燃え上がらせるゴブレットは、神秘的な雰囲気を湛えながら玄関ホールに鎮座している。
何人か見知った人…ビリーやアンジェリーナが名前を入れると、グリフィンドール生から拍手が湧き上がった。
途中フレッドとジョージが17歳になっていないのに名前を入れようとしたが、ゴブレットに弾き飛ばされ見事な髭を生やして医務室へ行った。
そしてハッフルパフ生に背中を押され出てきたセドリックも、恥ずかしそうにしながら名前を入れた。
「おはようセドリック、あなたも名前を入れるのね」
「やぁ、A。随分迷ったんだけどね…」
他寮にもその名を轟かせるセドリック・ディゴリーは、爽やかに微笑んでから去っていった。
「なんだ、みんなウスノロばっかりじゃないか。僕だって成人していたら名前を入れたというのに」
「ウスノロとか言わないの。いいじゃない、スリザリンからは誰か入れたの？」
「マーカス・フリントが。昨晩こっそり入れたらしい…堂々とすればいいものを」
その時、ボーバトンの生徒たちが列を生して入ってきた。
彼女たちは軽やかな足取りで年齢線を越え、一人一人名前を入れていく。
その中には例のヴィーラまじりの女生徒もいて…私は思わず隣を見た。
やはり、ドラコの目は彼女を追っている。
「…やっぱりダメだわ、私」
「急にどうした？」
「なんでもない。先に行くわね」
慌ただしく広間へ入った私は、どっかりと椅子に座った。
向かいの驚いた顔をしているハーマイオニーに、高らかに宣言する。
「決めたわ。私、この勝負勝ちに行く」
「なんですって？」
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
