悪夢 ページ46
夢を見た。
眩い黄金の星が、暗闇で瞬いている。
星は素晴らしく輝くが、ふと、何やら黒いモヤに囲まれる。
あっ、と思った瞬間モヤは星に覆いかぶさり、星は消えてしまった。
そしてモヤは高く燃え上がり、漆黒の炎へ変わる…。
ガバッとベッドから起き上がった私は、今度こそ確信した。
私は予知夢を見ている。
思えば、ずっと前からおかしかったのだ。
やけに現実味のある、どろりと手ですくえるほど濃厚で、目覚めた時にはいつも寝汗をかいている、嫌な夢。
タールのような、真っ黒い夢。
今までも気分が悪い内容ばかりだったが、先程見た夢は程度が違う。
今度は、人が死ぬ。
「セドリック、セドリック！」
慌てて着替えて大広間へ向かうと、運良くハッフルパフのテーブルに目当ての人物が座っていた。
キョトンと不思議そうにこちらを見るも、何かを察して立ち上がる。
「どうしたんだい、A」
「話があるの、ちょっと来て」
髪も結っていないし化粧もしていない、しかも息が上がったままで、少し恥ずかしいが仕方がない。
大広間脇の小部屋へセドリックを誘導すると、堰を切ったように私は彼へ訴えた。
「お願い、セドリック。…明日の第3の課題、棄権してちょうだい」
セドリックは目を見開いて、次いで困惑して笑い始めた。
「急に何を言い出すんだ、A…熱でもあるのかい？」
「違う！…夢を、見たのよ。あなたが死ぬ夢を」
至極真面目に話しているが、まともに取り合って貰えない。
無理もない、やっとここまで来たというのに棄権しろとは、恐らくなんて無礼な奴だと思われているのだろう。
それに今年は安全策が講じられ、誰1人死者は出さないという方針の元開催されている。
極めつけは、ただの悪夢？
笑わせないでくれ、とセドリックは言う。
「まさかそんなことを言われる思わなかったが…君の事だから、何かしらの根拠があるんだろう。
忠告ありがとう、気をつけておく」
「ダメよ！参加したら間違いなく死んでしまう。ただの悪夢じゃないの、予知夢なのよ！」
「ちょっと疲れてるんじゃないのか。予知っていうのは、本当に希少性が高いんだよ」
呆れたようなセドリックは、すまなそうに私の肩を叩く。
「すまない、でもここで棄権するなんて、僕の矜持が許さないんだ」
ここまで言われて尚、食い下がれる私ではない。
微かな絶望を感じつつ、私は頷いた。
「…わかったわ。私は…私の夢が、ただの夢であることを願ってる。…頑張ってね」
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
