水の底3 ページ44
一番最初に戻ってきたのは、セドリックだった。
彼は『泡頭呪文』を使い、制限時間を1分オーバーして戻ってきた。
彼が腕に抱えていたのはのはチョウ・チャン…ドラコの予想が的中したのだ。
代表選手たちは、それぞれ大切な人を奪われていた。
その次に上半身だけサメに変身して帰ったクラムはハーマイオニー。
なんとまあ、だから見当たらなかったのか。
「残るはハリーだけ…随分遅いわね」
「そろそろ1時間半経つぞ、…まずいんじゃないのか」
腕時計をチラチラ見ながら、時折私のオペラグラスを覗くドラコ。
彼がハリーを心配していることも驚きだが、それ以上にあまりに遅い。
唐突に、昨夜見た夢を思い出した。
ごぼごぼと口から溢れる泡、遠ざかる水面、躙り寄る闇。
もしかしてあれは、…ハリーの行く末を、見たのだろうか。
「そんな、ハリー嘘でしょう」
誰もがハリーの帰りを待っていた。
気泡のひとつもないか、波紋はないか、目を皿のようにして湖面を見つめる。
最初に見つけたのは、誰だったか。
「ハリーだ！帰ってきたぞ！」
ワァー！という歓声に包まれ、咳き込みながら浮上したハリーは2人の人間を連れていた。
1人はロン、そしてもう1人は…。
「ガブリエル！ガブリエル！あの子は生きているの？怪我してないの？」
髪を振り乱し手を伸ばすフラー…ハリーが連れている少女は、フラーの妹だったのだ。
審査員の採点により、ハリーはセドリックと同点1位となった。
全ての人質を安全に返そうとした、彼の心意気が評価されたらしい。
「僕ならさっさと帰るがな。
今回は死人が出ないよう安全策が何重にも施されているんだ…ポッターが連れ帰らなくとも、あの少女は死ぬことはなかっただろうに」
「だから、そこが評価されたのでしょ？まったく素直じゃないわね…あなただって、ハリーが帰ってこなくてソワソワしてたくせに」
途端に顔を真っ赤にしたドラコは、そっぽを向いて「次の課題はなんだろうな」と呟いた。
こういうところで絶対に素直にならないのが彼らしい。
「しばらくはなーんにもないわね、ちょっと退屈だわ」
「何を言う、ホグズミード行きが何度かあるだろう」
ドラコは驚いたように言って、ため息をついた。
「おいおい、恋人との数少ないデートの機会をすっぽかさないでくれよな」
「ご、ごめんなさい…うっかりしてたわ」
「まったく君ってやつは…」
まさか毎回彼と一緒に行くのだろうか。
…心臓がもつか心配になった。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
