宴のあと ページ36
翌朝、すっかり日が昇ってから起き出した。
ハーマイオニーと昨夜の話をしようと覗くと、なんとドレスを着たまま眠っている。
「どうしたの？ハーマイオニー、…ちょっと」
まぶたは腫れ上がり、浮腫んで酷い顔だ。
まさか、泣いたのだろうか。
「クラムに何かされたの？」
「違うわ…ロンよ」
ぶっきらぼうに答えるハーマイオニーは、バサバサと乱暴に着替えた。
ああ、そんなふうにしたら、せっかくのドレスローブがシワになってしまう。
ハンガーにかけようとすると、「放っておいて」とすげなく言われてしまった。
談話室に降りたら、下級生から「外で人が待っているよ」と声をかけられた。
まさか、ドラコ？と期待混じりに出ていくと…そこには、父がいた。
「あっ、今、なぁんだとか思っただろう」
「思ってませんわ。お会いできて嬉しいですお父様」
「つれないなぁ。昨日だって、結局挨拶もしてくれなかったじゃないか！」
父と連れ立って大広間へ行くと、もう昨晩の美しい飾り付けはきれいさっぱり片付けられていた。
少し残念だ、本当に綺麗だったのに。
「やあ、早速カップルがいっぱいだね。よきかなよきかな」
「私だって、…無粋ですわよ」
「せっかく来たんだから相手をしておくれよ、さあ朝食にしよう」
父だっての希望でレイブンクローのテーブルにお邪魔すると、何人かの生徒が父に会釈をしている。
父は軽く手を振って答え、私に色々勧めてきた。
「さあどんどん食べなさい、昨日はたいして口にしてないんだろう」
「そうなんです！せっかくのご馳走だったのに…。
ああ、美味しい！」
こってりとしたスープやシチュー、シロップをたくさんかけたケーキを頬張って父と向き合った。
「それで、A。うまくいったのかい」
「ええ、大勝利ですわ。目にもの見せてくれました」
「それは上々」
父はシチューに浸したパンを美味しそうに食べながら、ちょっと悲しげな顔をした。
「寂しいなぁ。一人娘がもうボーイフレンドだなんて…」
「大袈裟だわ、お父様ったら…ほら、このレモンケーキ美味しいですわよ」
娘を愛する父親が時に面倒なことは知っていたが、いざ自分の身に起きてみると気恥しい。
母があまり帰ってこない分、私を育てたのはほとんど父だったから、それも致し方ないかもしれないが。
昨晩の私のたたかいは、思わぬところに(父に)被弾したようだった。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
