王子様の贈り物2 ページ32
箱には、上等なアンティークジュエリーのひと揃い…パリュールが入っていた。
まず目に付くのは、淡い紫と金の入り交じった宝石…アメトリンが嵌め込まれた、美しいネックレス。
そして、それに合わせたデザインの髪飾りとイヤリングにも、大きなアメトリンがはめ込まれていた。
すみれのような淡く可愛らしい紫に、蜂蜜の甘い金をたらしたようなアメトリンは、なんとも高貴で美しい。
その脇で小さいながらもキラキラと主張するのは、もしかしてダイヤモンドだろうか。
…絶対高いやつだ、これ。
「馬鹿なんじゃないの…こんな良いものを、こんな」
私はもう一度、光り輝く贈り物を見てから、件の王子様を見た。
王子様は不安げに私のほうを伺い、自分の仕掛けたいたずらが成功したか気にしている。
私は長い長いため息をついて、心配そうな王子様に綺麗に微笑んだ。
そして面食らっている彼に声を出さずに「ありがとう」と言う。
すると、ほっとした様子で大広間を出て行った。
私は覗いてくる野次馬から隠すように箱を閉じ、丁寧にハンカチで包んだ。
「そんなに素敵なものを贈ってくるなんて、マルフォイもたまにはやるのね。ちょっとだけ見直したわ」
「ハーマイオニー。…でもねぇ」
こんなものを貰ってしまっては、今夜はもう…誰にも負けないくらい、着飾るしかないではないか。
プレッシャーに押し潰されそうだ。
夕方近くなって、私たちは寮に戻りパーティの準備を始めた。
ハーマイオニーは髪を真っ直ぐにするのだと言って、何やらの箱を抱えてシャワールームにこもっている。
「ハーマイオニー…そろそろ着替え始めないと、間に合わないわよ〜」
「あとちょっとなの！あなたは先に支度をしてて」
「遅れても知らないわよォ」
仕方が無いので、勝手に始めることにした。
カメリア・ベルタンの開発したストッキング魔法をまずかけると、びっくりするほど足が綺麗になった。
これはハーマイオニーが見たら喜ぶだろうなぁと思いつつ、コルセットとパニエをつけて丁寧にドレスを着る。
ドレスアップに合わせて派手めに化粧をしていると、やっとこハーマイオニーが出てきた。
「あら、ハーマイオニー！すごいじゃない、髪が」
「5箱も使ったわ！もう二度とやりたくない」
もう疲れたような顔をしている彼女は、「いけない！こんな時間」と慌てて支度を始めた。
まったく、もう少し早くに支度を始めればよかっただろうか。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
