葛藤 ページ27
そんな私にもお誘いがかかった。
まずフレッド、それからエディンとビリー。
しかしどうしても頷く訳にはいかなかったので、丁重にお断りした。
そしたらもう行く人がいるのか、と聞かれたが、「狙ってる人ならいるわ」と答えた。
他寮の生徒からも何回か誘われた。
話したこともない人もいたし、知っている人もいる。
だが、その中にドラコはいなかった。
次第に、不安に苛まれるようになった。
一体私は、何を以て彼に誘われると思っていたのだろう。
自分が何も考えていなかったことにやっと気づき、途方に暮れた。
周りではどんどんカップリングが成立していく。
焦りと苛立ちが私を支配し、数日前までの余裕はどこへやら。
フレッドに誘われた時、承諾していればよかった。
いやそんな、私はあの男とパーティに行きたくて、いや、あの男は違うかもしれないのだから、…いや。
もしかして私は、早まったのだろうか。
私が彼に友情以上の気持ちを抱いたとして、彼も同じとは限らないのに。
こんな、こんな浮かれて待ちわびて、道化なんじゃないか。
怖い、これでもし私から誘いに行ったとして、もう彼は違う誰かとパーティに行く約束をしていたらどうしよう。
は、と息を飲んだ。
今、私はなんと。
恐れ知らずの、怖いもの無しの私が、怖い？
…なんてことだ。
折角ドレスローブが仕上がったと知らせがあったのに、手紙を開けもしなかった。
こんなもの、無駄だったのか。
ああ、こんな苦しい思いをするなら、恋なんてしなければよかった。
そんなこんなで、1週間悩み続けた。
その間も数人に誘われたが、大いに迷った末断った。ぼんやりと中庭へ出るとセドリックに声をかけられた。
「A、ちょっといいかな」
素晴らしくハンサムだ、ハッフルパフの女性陣は放っておかないだろうに。
そんなセドリックが、甘い顔で微笑む。
「もし良かったら、僕とダンスパーティーに行かないかい？」
「…え」
待ってほしい、今なんと？
ホグワーツの代表選手で、誰もが認めるジェントルマンで、人気者のセドリックが、この私を？
周りにいた女子生徒の視線を痛いほど感じる。
私はその時、非常に迷った。
誘われるかもわからない男を、このまま待つ意味はあるのか。
最近あの男は、私に近づきもしない。
セドリックがパートナーならば、不足なんて絶対にないだろう。
糸口すら見つからない恋を追い求めるよりも、突然転がってきた幸運を掴むべきなのか。
私は、確かに頷きかけた、のだが。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
