恋の予感 ページ25
「パートナーがどうとか騒ぐよりも、ハリーはもっと課題について考えた方がいいと思うんだけど！」
今日も今日とてハーマイオニーがぷりぷり怒っている。
パーティーが間近に迫る中、誰もがパーティーのことで頭がいっぱいだ。
私とて例外ではないが、たまには別のことで頭を働かせるのもいいと思った。
「そういえば私、ハリーが卵開けた時いなかったのよ。何が入ってたの？」
「ああ…なんと言えばいいのか、そうね。
耳を劈くキーキー声？悲鳴みたいなのが聞こえたわ、中身はなにも」
「悲鳴？」
誰かの断末魔とか？
いやいや、物騒すぎる。
ちょうど談話室に降りてきたハリーに頼んで(周りの生徒に理って)、卵をもう一度開いてもらうことにした。
途端に耳をパチンと手で覆った皆の様子を見て、推して測るべきだったのだろう。
「ああああすぐ閉じてハリー！」
「っ、だから言ったじゃないか、こんなの聞いても無駄だよ」
あんなもの聞いてたら耳が壊れそうだ、暫く耳がキーンとしたままだった。
しかしふと思いついた私はハーマイオニーと連れ立って図書館へ行き、誰にも聞かれないようこっそりと彼女に打ち明けた。
「あのね、たぶんこれ答えに相当近いと思うんだけど…」
「何かわかったの？」
「あれ、マーミッシュ語じゃないかしら」
マーミッシュ語。
水中に住むマーピープル…水中人たちの言語で、私たち陸の人間が聞くとあのような悲鳴に聞こえる。
幼い頃、イタリアに遊びに行った時に、母が彼らと話しているのを見たことがある。
「でも、あの悲鳴みたいな声を翻訳するのは大仕事よ…ちょっとだけ本を漁ってみましょうか」
ハーマイオニーは魔法生物の棚を、私は魔法言語の棚をそれぞれ見ることにした。
数分後、ハーマイオニーの元へ戻ろうとしたところ驚くべき光景を目にした。
咄嗟に棚の影に隠れ、様子を伺うと…なんと、ビクトール・クラムが、騎士の礼をとりハーマイオニーに手を差し伸べている。
彼女は戸惑っている様子だったが、恥ずかしそうに頷いて手を重ねた。
クラムは柔らかく微笑んだ後、彼女の手の甲に口付けた。
クラムが立ち去ったあと、身悶えしているハーマイオニーを捕まえて私は捲し立てた。
「ちょっと、ハーマイオニー？！今、クラムと」
「そうなの！ダンスに誘われたのよ！」
ハーマイオニーは、林檎のように頬を真っ赤に染め、その瞳はまさしく恋をしている色だった。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
