パーティに向けて2 ページ24
白い生地の下に紫の生地がちらりと覗く、フィッシュテールドレス。
前側の裾は脛あたりで、後ろは床につくくらいある。
胸元はＶ字で、ウエストにはリボン。
裾にはぐるりと刺繍が施され、ふんわりとしたドレープがとても優雅だ。
そして靴は、内側の生地と同じ濃い紫色で、心配になるほど鋭いピンヒール。
ざっと描かれただけのデザイン画だったが、そこかしこにメモ書きされた詳細なデザインはうっとりするくらい華美だ。
本当に自分がこれを着るのかと思うと、期待が高まる一方で着こなせるか心配でもある。
何より、これを見せるのがあの男になるのか…。
もしパートナーに誘って貰えなかったら、私から誘うしかなかろう。
セシルの足に礼や依頼を書いた手紙を結びつけ、そっと撫でる。
嬉しそうに一声鳴いた彼女は、静かに空へ舞い上がった。
マクゴナガル先生からダンスパーティーのことを周知されたグリフィンドール生は、皆軒並み浮き足立っていた。
だがしかし、彼らはふたつの問題に直面する。
ひとつめは、パートナー探し。
そしてもうひとつは、ダンスだ。
「まともにステップも踏めないだなんて！
そんなんじゃ、パートナーを探す前にダンスパーティーに出られないわよ！」
「無理言わないでよ、今までダンスなんて踊ったことないんだから」
悲鳴をあげる友人たちに、私は一念発起した。
こちとら貴族の端くれをやっているのだから、ダンスくらいお手の物である。
「いい、まずは私がお手本を見せるから。
ねぇジェントルメン、男性パート踊れる方いらっしゃる？」
「僕踊れるよ！」
暖炉の前で見物していた男性陣に声をかけると、いつだったか私がピクシーから頭皮を守ったエディン・ベイリーが名乗りを上げた。
「できるだけゆっくりお願いね。
いいこと、まずはステップを覚えて！美しさは二の次。
せめてパートナーの足を踏まないようにならなきゃ恥ずかしくって表に出せないわ！」
１日、2日と練習を続けるうち、段々と様になっていく様子は見ていて楽しかった。
私が男性パートを請け負って踊れば、彼女たちの上達具合がよくわかる。
見ていた男性陣も何人か参加し始め、とうとうカップリング成立に至る男女も出始めた。
「ああA、本当にありがたいわ。ダンスパーティーなんて今までで関わったことすらないのに」
「いいのよ。名ばかりの貴族が役に立ってよかったわ」
パートナーが出来た女生徒が頭を下げてくる。
内心、私は彼女の方が羨ましかった。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
