許されざる呪文 ページ2
ムーディの授業は木曜日だった。
ハーマイオニーと急いで図書館から向かうと既に教室はいっぱいで、ハリーたちが取ってくれていた席に滑り込んだ。
1番前の真ん中なんて、随分張りきっているようだ。
「人気なのね、ムーディ先生。フレッドに聞いた話じゃ”超イカしてる”んでしょ？」
「そんな話だよ。楽しみだなぁ」
ハリーは教科書を早速出してムーディ先生を待ち構えていた。
他の科目でもこうならいいのに。
評価の通り、ムーディは奇抜な先生だった。
まだ4年生の私たちに許されざる呪文を見せ、お前たちが戦うのは何かを知っておくべきだ、と言い放ったのだ。
インペリオ…服従の呪文。
亡くなった叔母はこの呪文をかけられたらしい。
ムーディが呪文をかけた蜘蛛は軽快にタップダンスを踊り、皆の頭の上を跳ね回った。
まるで、マリオネットのように。
皆は笑っていたが、ムーディが「わたしがお前たちに同じことをしたら、喜ぶか？」という問いを聞いて一斉に黙った。
そして、クルーシオ…磔の呪文。
ヴォルデモートに逆らった魔法使いは皆これをかけられた。
この呪文さえあれば、鞭打ちも串刺しも、三角木馬もアイアン・メイデンも必要ない。
自ら死を望むような痛みと苦しみを、いとも容易く与えられるのだ。
蜘蛛は苦痛にキィキィともがき、空中でのたうち回った。
そう言えば、ネビルのご両親は磔の呪文をかけられたのではなかったか、と思い振り向くと、ハーマイオニーが「やめて！」と叫んだ。
ネビルは、手を強く握り締め、蒼白になって震えていた。
最後に、アバダ・ケダブラ…死の呪い。
その名の通り、対象に最も早く死をもたらす呪い。
前触れもなく、後に残る傷や印も何もなく死んでいく。
人を、簡単に殺 すことが出来る呪い。
ムーディの放った緑色の閃光は一瞬にして蜘蛛を貫き、蜘蛛はパタリと机に落ちた。
瞬きをする暇もない、本当に一瞬だった。
「気持ちの良いものではない。しかも、反対呪文は存在しない。防ぎようがない。
これを受けて生き残った者はただ1人。その者は、わたしの目の前に座っている」
ムーディはハリーをじっと見つめた。
ハリーは何かを感じ入ったようで、静かにムーディを見返していた。
授業のあと、ロンなどのほとんどの生徒は興奮してお喋りをしていた。
なんであんなに興奮できるのかわからない。
彼らは今の授業をパフォーマンスだとでも思っているのだろうか。
死は簡単に訪れ、しかもすぐ身近にあるというのに。
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アキラ(プロフ) - でぃあさん» そう言って頂きとても嬉しいです、ありがとうございます！出来る限り毎日投稿頑張ってます、楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年5月10日 2時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
でぃあ(プロフ) - コメント失礼致します！今まで読んだドラコの小説の中で1番好きです、、。大変だとは思いますが、更新心待ちにしております！！ (2020年5月10日 1時) (レス) id: 9634e00201 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ライキさん» ありがとうございます。炎のゴブレットは好きな巻なので、原作に泥を塗らないように頑張ります (2020年4月19日 1時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ(プロフ) - すっごく面白いです！頑張ってください！ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 6dfa20d2dd (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 黒猫王さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します。 (2020年4月13日 17時) (レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2020年4月13日 1時
