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「黒髪黒目のイグニハイド寮生?」


「そうです。ケイト先輩、心当たりありませんか」


翌日、監督生は知り合いの中で一番顔の広いケイト・ダイヤモンドを訪ねていた。


『あそこの寮の人はガード硬くて俺も友達いないんだよね』とは言っていたが、全然知らないというほどでもないはず。


心当たりがあれば、と頼った次第だ。



あのブラックオニキスが忘れられなかった。



一目ぼれとはこういう気持ちかしらと思うほどに。



「うーん、白い肌の黒髪黒目って珍しいし心当たりがないわけじゃないんだけど……その心当たりって子、同じ学年なのにいまだに一度も話したことないんだよね。イグニハイド寮でも指折りのガードの硬さっていうかなんていうか」


トランプモチーフのカバーがかかったスマホを揺らしながらケイトは笑った。


「寮長のイデアくんとは話してるの時々見るし、イデアくんに聞けばわかるかも。なんで監督生ちゃんはその子を探してるの?」


「あ、えっと……」


まさか一目ぼれしたから名前が知りたい、あわよくば仲良くなりたいなんて言えるはずもなく。




「へぇー、ハンカチをねぇ。それでお礼が言いたいんだ」


「はい」



律儀だねぇと監督生の頭を撫でるケイトの顔はいっそ胡散臭いくらい、満面の笑みに彩られていた。


「イデアくん、授業タブレット参加したりしてていつ遭遇できるかわかんないから、話聞けたら監督生ちゃんに教えるよ」


じゃあねー!と手を振って頼もしい先輩は去っていってしまった。


もう一度あの人に会ってちゃんと話がしたい。



かくして監督生と黒髪黒目のイグニハイド生の追いかけっこが開幕した。









「ねぇ、聞いてよシュラウド。オンボロ寮の監督生がハンカチ落としたから勇気出して渡そうとしたんだけど、全然気づいて貰えなかった」


「A氏の存在感が無さすぎたんじゃないっすか」


「そうなのかな……。三回呼びかけて無視された時はハンカチその場において逃げようかと思った。心が折れてた」


「三回も無視されたとかワロ……ワラエナイ……つら」



____

5/29 イデア→シュラウド呼びに変更しました。

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ミム - とっても好きです!更新楽しみにしてます。 (2020年6月13日 5時) (レス) id: 1979fc8c23 (このIDを非表示/違反報告)
pokettoame(プロフ) - 好きです!次の更新楽しみに待ってます! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 2f9884d86e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マイナー道 | 作成日時:2020年5月25日 22時

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