【呪術廻戦】傷だらけの幼女

7話　心の傷 ページ9

次の日、あの子に言った。

「神無、会って欲しい人がいるんだ。いいかな？」

貴女「うん」

学長が引き渡しに選んだのは本当に呪術師とは無縁の家系だった。

昨日、この事を傑に話したらまぁ、案の定、喧嘩しました。

運動場壊れました。

僕はあの子の手を引いて、件の家族に合わせた。

「初めまして、神無ちゃん。今日から貴女のお母さんになる里見季咲と言います」

「初めまして、僕は里見海斗。今日から君のお父さんになる。よろしくね」

その言葉に神無は体を強張らせた。

そして、僕を見上げる。

貴女「私のお父さん、は、、この人だよ？」

その言葉に泣きそうになる。

「ごめんね、僕は君のお父さんにはなれないみたいだ。ごめん、本当にごめんね」

駄目だ手が震える。

貴女「っ、、、分かりました」

この子は本当に聡い子だ。

「抱きしめてもいい？」

貴女「うん」

きっと、この体温はこれから先忘れる事はないだろう。

あの子が幸せに暮らせるならそれでいい。

「じゃあ、神無ちゃん。手を繋いでいきましょう」

貴女「はい」

あの子が出て行った後、心が冷たくなった。

部屋に着信音が響く。

「なに、傑」

「悟、、大丈夫かい？」

親友の言葉が心にそっと染み渡る。

「大丈夫じゃないっ、俺が育てるって言ったのに、、、辛い。傑、心が痛いよ」

「悟、今からそっちに行こうか？」

「やだ、来るな。こんな、みっともない姿、、、見られたくねぇよッ」

涙が止まらない。守ると決めたのに、誓ったのに。いとも簡単に手離してしまった。情けなくて、そんな自分に嫌気がさす。

「期間限定のスイーツを届けに行くだけさ。だから、無理しないでくれ」

その言葉を最後に通話は切れてしまった。

「っ、、あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ！！！」

男の悲痛な叫びが部屋に響くだけだった。

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