10話 観察 ページ12
神無は、ご飯だけは食べるようになった。その後は、地下牢へと戻って塞ぎ込んだように毛布を抱き締めて隅に座っていた。
変わったと言えば、暴力と罵声がない事とご飯を食べることだった。
最近、ペンギンさんに監視されている気がするが仕方のない事だと感じる。
時々、背中の火傷が痒くなる。掻きたくなる手を必死に押さえて眠りにつく。
風呂は、朝に入るようにしている。と言っても水を被るだけだが。
眠くなりつつある体に抗わずに眠りにつこうとした時、あの視線を感じた。
貴女「っ⁉」
壁の方を見て背後を振り向くことはしない。
キィと鉄格子が開く音が聞こえた。
その感覚がお母さんに似ていた。一度、お母さんは夜に私の部屋にやって来たことがある。
包丁を持って。
呼吸が辛くなる。心臓が嫌な音をたてる。汗が止まらない。視界がぼやけてぶれ始める。
「おい、」
『ねぇ、』
「お前」
『神無』
「どうした？」
『どうして生きてるの？』
その光景が幻覚で生み出される。
神無は、恐怖で動けずにいる。
貴女「ぁ、、、。やだ、やだ、、刺さないで。いい子にするからっ、！」
腕をクロスさせて首を激しく左右に振ってペンギンから逃げるように後退していく。
ペンギンは、ヤバイと思って背後を振り向くとシャチがいた。
「シャチ！船長呼んでこい‼リスパダールが必要だ！」
「分かった！」
ペンギンは、神無の腕を掴んで落ち着かせようとするもどうやら逆効果だったようだ。
神無は、腕を掴まれた事により更に暴れた。
貴女「ごめんなさい！ごめんなさい‼」
神無は、過呼吸になりながら暴れる。
「息を吐け、ゆっくりだ。ゆっくり呼吸するんだ」
「おい！何がどうしてこうなった！」
ローは、注射器を持って牢屋の中に入る。
神無は、ローの手に持つものが刃物に見えた。
「しっかり押さえてろ」
ペンギンは、神無の体を押さえて腕を伸ばす。
貴女「やだ、やめて！お母さんっ‼」
ローは、神無を見て幻覚を見ているのが分かった。
貴女「怖いっ、怖い‼」
神無の顔が恐怖で歪む。
ローは神無の腕に素早く注射を打つと袋を持って神無の口元に当てる。
「大丈夫だ。息を吐け。ゆっくり息をしろ」
ローがそう言うと言われた通りに過呼吸が収まり通常の呼吸に戻っていた。
神無は、呼吸が安定したと同時に気絶した。
「ペンギン、来い」
ローは、神無を横抱きにして後をついてくるように言う。
「はい」
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koame10001(プロフ) - あの、ワンピースなら外国の苗字などにした方がいいと思います。それと、もしそのままがいいのならワの国出身などでいいと思います。 (2020年8月13日 2時) (
レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - 架印�靴気�» ありがとうございます！訂正しました。 (2020年3月2日 1時) (レス) id: bbf2f2d999 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告です。46話「助けが送れて悪かった。（以下略）の所ですが、“遅れて”が正しい漢字ですよ。 (2020年3月2日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
裕貴(プロフ) - はい！また何かありましたら報告します！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: 7bd5a40029 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - 裕貴さん» ありがとうございます！訂正しました！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: bbf2f2d999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒狗
| 作成日時：2020年2月16日 1時
