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4話 嫌い ページ6

何も知らない兄さんが嫌いだ。

いつも、褒められて、笑顔を向けられて、母さん達に甘えられる兄さんが嫌いだ!

私のことなんて、見向きもしてくれなかった。

私のことなんて、どうでもいいのだ。

お母さん達に名前を呼ばれる兄さんが羨ましかった。

私なんて、呼ばれたことなんて一度も無い。

どうして?どうして私なの?どうして私の名前を呼んでくれないの?認めてくれないの?

ねぇ、どうして?

もし、私が悪い子なら良い子にするからっ!

して欲しいこと、全部するからっ!

涙が止まらない。

悔しくて、悔しくて堪らない。

嗚咽が静かな公園に響く。

すると、突然の浮遊感に驚く。

「遥華、ごめん。ごめんな」

貴女「嫌!離してっ‼」

兄さんの腕の中で暴れる。

「本当にごめんな」

それは、何にたいして?

分からないよっ‼

貴女「離してっ!」

それでも、兄さんは中々離してくれなかった。

抵抗として、兄さんの手に噛み付いた。

「いっ⁉」

私は、兄さんから逃げる様に部屋に閉じこもった。

何が『ごめん』なの?

意味がわからない。

本当に大っ嫌い。









ーー

喉が渇いて、リビングに行くとお母さん達がいた。

「本当にお前の所為よ!」

お母さんは、私の頬を叩いた。

そして、地獄の日々が始まった。

お父さんは、あの日から煙草を吸い始めた。

そして毎日、私の背中や首に煙草の火を押し付けた。

お母さんは、酒を大量に飲む様になった、

私にグラスを投げ付けたり暴力がエスカレートしていった。

外に出られるのは、夜だけだった。

とある路地裏に座り込んでいたら、ニット帽を被った髪の長い男性が私の目線に合わせるようにしゃがんだ。

「子供がこんな夜遅くに出歩くものじゃない」

貴女「うん」

「送っていこう。家は何処だ」

貴女「一人で帰れる」

男性は、私の頬を優しく撫でる。

「そんな目をする子供が日本にいるとはな」

貴女「どんな、、目、、してる?」

「全てを諦めた目だ」

男性が言っていることは間違いじゃない。

確かに、私は諦めているこの理不尽な世界を受け入れていた。

貴女「そう」

「はぁ、帰らないのか?」

貴女「まだ、ここにいる」

このお兄さんもきっと分かりはしない。

だって、兄さんと似ているから。

あぁ、また苦手な人が出来てしまった。

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ベルモット - 始めまして、ベルモットです。夢主の成長家庭が予想外にも苛烈な環境で驚きた。夢主が幸せになれる日を私は望みたいです。 (2019年12月28日 20時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってくださいね! (2019年11月27日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - すごく感動しました!ずっと涙腺崩壊してました!良い作品ですね!続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年1月31日 23時) (レス) id: 833a45e133 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - カルピン☆☆さん» このような駄作に泣いて下さりありがとうございます。更新、頑張ります! (2018年3月31日 10時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - いゆさん» ありがとうございます。更新、頑張ります! (2018年3月31日 10時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒狗 | 作成日時:2018年2月24日 16時

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