33話 人影3 ページ35
「こ、こは?」
目を開けると、最初に見たのは木目の天井だった。
つまり、病院ではない。
首を回してみると、誰かの家らしい。
間取りは広く、落ち着きのある部屋だ。
起き上がろうとすると、腹部に鋭い痛みが走り、布団に戻る。
その反動で、何かが落ちた。
拾うと、それは濡れた布だった。
すると、部屋の襖がゆっくり開く。
「ああ!目が覚めて良かった。どう、何処か痛かったりする?」
「起き上がろうとした際、腹部に痛みが」
「あ、そうだよね。僕ってば忘れてたよ。君、熱出しててね。3日眠ってたから心配してたけど、もう、大丈夫そうだね」
光忠は、安室の背中に手を添え起き上がらせる。
その際に、腹部が痛むが耐える。
「お粥、食べられそう?」
「は、はい」
光忠にお粥が入ったお椀を渡され、スプーンですくって食べると、美味しくて頬が緩む。
「腹部が痛むって言ってたよね?薬研君を連れて来るから待っててね」
光忠が部屋から出ていくと、また静かな時間がやって来た。
自分がお粥を咀嚼(そしゃく)している音しか聞こえない。
「そういえば、ここの家主は誰なんだ?」
これが一つの疑問だった。
それに、静か過ぎる。
まるで、この家に一人しか住んでいないような感じだ。
すると、また襖が開くと今度は、白衣を着た少年が入って来た。
「よぉ、安室の旦那。具合はどうだ?」
「な、何故僕の名前を?」
「大将が知っていてな。あと、腹の傷見るぜ」
「き、君が?」
「そうだ。これでも、医療は心得てるぜ」
薬研は、安室の着流しをはだけさせ包帯を外して傷を見る。
「ま、3日しか経ってないからな。痛みがあるのは当たり前だ。治るのには、一週間はかかるぞ?それに関しては、旦那次第だがな」
「ありがとうございます。あの、ここの家主は?礼を言いたい」
「それなら、もうすぐ来るぜ。お、来たな」
薬研は、安室の包帯を巻いて着流しを整えると立ち上がり、襖を開ける。
「おお、すまぬな薬研。主よ、ついたぞ」
貴女「うん」
「え?君が、、、信乃ちゃん」
貴女「傷、大丈夫ですか?」
「人の子はいつの時代も無理をする」
三日月は、袖口を口元に持っていき、けほけほ笑う。
貴女「薬研、、、」
「大将、駄目だぜ。旦那もするべき事がある」
貴女「分かった」
信乃は、安室の傷が治るまで家にいさせてもいいかと、薬研に目で訴えたが拒否された。
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レモン(プロフ) - はじめまして、最初から一気に途中まで読ませていただきました!!面白かったです!あと、14話履き続けるとありますが、吐き続けるではないでしょうか? (2018年11月11日 14時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - 極部隊www恐ろしいwwwww私の本丸はまだ極が三人しかいません(泣) 江「和睦の道は、ないのでしょうか……」 (2018年2月23日 8時) (レス) id: 087b770101 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - ステラさん» ありがとうございます! (2018年2月21日 9時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - 更新がんばってください! (2018年2月21日 8時) (レス) id: 2a7337f44e (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - mayumiさん» ありがとうございます!少し、時間軸が可笑しくなるかもしれませんが、よろしくお願いします! (2018年2月19日 18時) (レス) id: 10e52e1588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒狗 | 作成日時:2018年1月20日 23時